◆ 吹田市議会における質問(1999年10月議会代表質問)

民主市民連合の山口克也でございます。質問をさせていただく前に一言意見を申し上げさせていただきます。

9月30日の東海村の事故の報道を見ながらつくづく思いましたのは、最近日本というシステムについての信頼度が本当におちてきたなということでした。ウランという危険な物質を扱う人々が当然払うべき注意が、報道を見る限り工場でまったく払われていなかった、ということに留まらず、日本に放射能漏れを想定した事故処理の体制がまったくなかったことが、さらに私の驚きを大きくしました。システム的にしっかりしていたのは、パニックを押さえるための報道統制のみで、これは日本のシステムに対する不信感を人々の心に植えつけたあの事件と同じです。

私が言うあの事件とはあの忌まわしい薬害エイズ事件です。薬害エイズ事件でも今回のJCOの事件でも、問題の根本は人間の健康や命があまりにも粗末にされているところにあります。この点に付いてはもう一つ例があります。それはダイオキシン問題です。ダイオキシンが一般のゴミ焼却施設から排出されることが明かになった1980年代、欧米諸国は大変なコストをかけて、焼却炉の対策をしたり、プラスティックゴミの分別などを、市民と行政が一体となって行い、リサイクル社会という言葉に恥じないシステムをつくりだしました。それに対し日本では厚生省がゴミ焼却場に対して安全宣言を出したため、自治体の対策はまるまる10年遅れてしまいました。またダイオキシンの危険は市民から隠されてしまいました。

こんな違いがでた原因は、欧米の社会と日本の社会のなかにおける、人間の命にたいする愛情の差ではないかとおもいます。どんな場合でも現状を変更しようとすると、コストがかかります。しかし、ことが人間の命や健康に関わる場合においては、経済的合理性をときには無視して行動をおこさなくてはならないときがある、日本のシステムにはこの点が十分にインプットされていないのではないかと感じます。

私達民主市民連合は吹田市の理事者、職員の皆様に申し上げたい。まず吹田市の行政の皆さんが変わらなくてはならないと。もしあなたが、日本のシステムが崩壊の一歩手前にいると感じていらっしゃるなら、その崩壊の原因の一つは政官業の癒着にあります。多くの政策決定が人間の命や幸せを目的に行われず、特定の者の利益を目的にして行われてきました。また家庭や地域など人間の再生産に関わる大事な部分が、経済優先の政策のなかでないがしろにされてきました。これが現在の少子化をもたらし、経済の衰退を見越した現在の大不況を生み出したのです。

時代は少し動いています。多くの人が自治体の役割の重要性に気づきました。また改正自治法により自治立法権が大幅に拡大しました。国の役割は限定的になり、自治体は国の法律を越える条例をつくることが出来るようになりました。自治体が自信をもって自らの
政策を実現していける素地が出来てきたと思います。今、私は市の職員の皆様に、職務上もそしてプライベートでももっと情報収集していただきたいと思います。まわりに流されるのではなく、多くの情報収集のなかで、自分の考えをしっかりと持つ、そしてそこから出てきた自信をもって、吹田市に市民の方を向いていない政策がもしあるのなら、それをどんどん変えていってもらいたい。

皆さんの信念が、そしてそれを後押しし、時には前に立って引っ張ってくださる市民の皆さんがきっとこの吹田をもっといい都市にしてくれると私たちは信じます。吹田に、市民の幸せを願う施策がみちあふれたとき、きっと吹田に家庭と地域が再生し、それが生き生きとした人と企業を生み出す。私たちはそう信じます。阪口市長のリーダーシップに期待をしております。

それでは質問にうつらせていただきます。

まず吹田市の財政問題から御質問いたします。吹田市の財政の硬直化は平成4年度以降急激に進行し、平成10年度においても、前年度と比較して普通会計歳入が3.1%増加したにもかかわらず、民生費、公債費の増加により、経常収支比率は前年度よりも0.6%悪化して95%となっています。経常収支比率悪化の原因を考えるため、経常収支比率が71.9%だった平成元年と平成10年について歳入、歳出の構成を分析してみました。まず歳入については、平成元年が920億円であったのに対し、平成10年が1,051億円、経常一般財源でみますと、平成元年が585億円であったのにたいし、平成10年は694億円でした。109億円の経常一般財源の増加は、課税標準額の上昇のため、固定資産税収入が102億円増加したことによるものでした。これに対し歳出を見てみますと歳出合計が865億円から1,034億円と169億円増加しておりますが、その増加の内訳は民生費が132億円で突出しており、総務費2億円、衛生費9億円、土木費20億円、消防費16億円、公債費27億円となっており、逆に教育費では46億円の減となっております。これは吹田市において、学校や、体育施設の建築需要が一段落したこと及び、老人福祉などの需要が増加したためだとかんがえられます。また歳出の増加を性質別に見てみますと、人件費が223億円から317億円と94億円の増、扶助費が90億円から147億円と57億円の増、公債費が60億円から87億円と27億円の増加、このために義務的経費全体では372億円から552億円と180億円の増加となり、平成10年における義務的経費の歳出に占める割合は53.3%となっており、10%の上昇となっています。また物件費や維持補修費も割合で言うと12.7%から17.8%に上昇しており、そのために投資的経費の割合が17.4%から10.1%にまで減少しています。

これを前提として今後の吹田市の財政を予想してみますと、まず歳入面においては市税の収入増はまず期待できません。市民税は減税等の影響をうけ、固定資産税についても今後は地価の下落が大きく影響していくとおもわれます。平成16年度の税収は仄聞するところによりますと平成10年度に比べ30億円ほど減少するとのことであります。歳出に関しましては、何らかの大きな政策転換がないかぎり、高齢化のもとでは、民生費はますます増加するものと思われます。また性質別にいうと、人件費は今後も増加すると考えられます。たとえば退職金だけをとりましても平成10年度の退職手当の総額は約12億円でしたが、これは平成16年には31億円、平成21年度には54億円に膨れ上がると予想されております。また新たに建設された施設に関する物件費や維持補修費の増加も予想されます。このような中で吹田市はゴミ焼却場の建て替えや吹田操車場跡地問題に取り組んでいかなくてはならないのです。このまま放置すると、市債を除けば、100億円以上の単年度赤字になる日も近いといわざるを得ません。吹田市として、財政状況の改善の為にいったいどのような取り組みをしていかれるのか、次の6点について吹田市のお考えを伺いたく思います。第1に今後の公共投資の選択の方法、第2に利用率の悪い市の施設についての統廃合、第3に人件費の抑制、第4に福祉に関わる費用の抑制、第5に歳入の増加、第6にその他の財政状況の改善手法についてです。

第一点の公共投資の選択の方法については、ここで私見をのべさせていただいたうえで質問させていただきます。また第四点の福祉に関わる費用の抑制方法につきましても後ほど私なりの提案をさせていただきます。

本年8月に通産省を事務局とする政策評価研究会から政策評価の現状と課題という研究レポートがでております。このなかで公共投資も含めた政策の評価の手法としてコスト・ベネフィット分析であるとか統計解析法であるとかが詳しく説明されており、三重県での事務事業評価の事例などについても詳しく説明されております。このレポートの中で、わたくしが特に興味深く思ったのが第4章の政策評価を考える際の枠組みです。

簡単に説明させていただきますと、まず公共投資などの政策については、事前評価と事後評価を一体として行わなくてはならないとあります。そして事前評価においては、1.なぜ行政が行わなくてはならないかの説明、2.投資を行うことによってどのような効果を目指すのかという目標の指標化、3.その目標を達成するためにいくつかの方法がある場合、それぞれについてメリット、デメリットの比較、4.パブリックコメントいわゆる市民参加による決定という過程が必要だとされており、また一定期間後に事後評価を行わなくてはならないとされています。吹田市では、これまでどのような方法で公共投資の評価をされてきたのか、またこれから大変厳しい公共投資の選択をされていくなかで、どのような手法で、またどのような体制でこの評価をしていかれるかについてお聞きしたいと思います。

もう一つ公共投資に関連してはPFIの導入について質問する予定でしたが、すでに同僚議員から質問されておりますので、ここでは差し控えさせていただきます。

つぎに吹田市の環境問題について御質問させていただきます。

先月の14日毎日新聞の26面に琵琶湖の汚染の深刻化という記事がのっておりました。これは滋賀大の熊谷教授が琵琶湖全域のブラックバスとブルーギル一万三千匹を三年にわたって調査した結果ですが、ブラックバスの15.3%、ブルーギルの5.9%に背骨の異常がみつかったというものです。滋賀大が10年前に調査したときには奇形はゼロだったということで、また奇形の大部分は脊椎が押しつぶされたように変形した脊椎異常でした。

まず第一点、琵琶湖は吹田市が取水している淀川の水源であり琵琶湖の汚染は水道水を通して吹田市民の健康を蝕む可能性があります。このような吹田市民の健康への危機に対し、吹田市としては一体どの部署がこの問題に対して、調査や対応をおこなうのかということをお聞かせ下さい。そしてその部局はこの琵琶湖の汚染について認識していたのかどうかについてもお聞かせ下さい。第二点はこの問題がすでに吹田市の子供達に影響を与えていないかをお聞きしたい。吹田市の10歳以下の子供に脊椎の異常が増加していませんでしょうか。データを示していただきますようお願い致します。また第三点として吹田市がこの問題にどのようにとりくんでいかれるのかお聞き致します。

次に吹田市の発癌率の増加の問題です。民主市民連合はこの9月の吹田市民病院決算審査特別委員会におきまして、吹田市の死因に占める癌の割合が増加しつつあり、現在日本の平均が約30%であるのに対し吹田市は37%であることを指摘させていただき、吹田市民病院からは、癌のうち特に顕著に増加しているものが、肺癌と大腸癌であることと、今後この問題について調査をして下さるとのお答えがありました。そこで、この調査という点につきまして、どのような方法で調査をして下さるのか、何時ぐらいに一回目の報告をいただけるのかについて質問させていただきます。

私のこの二つの質問からも御理解いただけますとおり、吹田におきましても、環境問題は過去の問題ではなく、今市民の健康と命を脅かしている切実な問題であります。吹田市の専門家の皆様が力を合わせてこの問題に取り組んでいただけるよう心よりお願いをもうしあげます。

さて、吹田市のゴミ焼却場、北工場の問題に移りたいとおもいます。私は前議会の個人質問で、吹田市からのダイオキシン排出を99%削減してくださいとお願いをいたしました。そのための手法として、同僚議員からも過去に提案がありましたが、ヨーロッパで多くつかわれている触媒脱消装置とプラスティックゴミの分別と焼却によらない処理について御提示させていただきました。その後、今日にいたるまで、私と環境事業部の方々の間でさまざまな意見の交換、工場の調査などを行った結果、触媒脱消装置の取りつけには建屋の増築が必要であり、10億円近い投資が必要であることがわかりました。そこで私は、それでは先に、市民の協力を得なくてはならないことであるが、プラスティックゴミの分別と焼却によらない処理を進めてくださいということを、市長、環境事業部長にお願いをいたしました。この結果最終的に9月14日の会議におきまして、阪口市長からはプラスティック分別は、他の廃棄物の減量と同様に吹田市の方針であると言明していただき、環境事業部長からも、出来るだけ早くプラスティック分別を開始するとの言葉をいただきました。そこで質問させていただきます。プラスティックゴミの分別収集とリサイクル、焼却によらない処理を吹田市はどのようなスケジュールで進めていただけるのかということが第一点、そしてそれが、ゴミの焼却量の減少にどの程度影響を与えるかを第二点としてお答え頂けますようお願い申し上げます。

続きまして吹田市の大気汚染に関しまして質問させていただきます。東京都では石原東京都知事が東京からのディーゼル車追放を宣言し、大変な話題となりました。ディーゼル車追放宣言の是非はともかく、一般には知事の環境問題に取り組む姿勢は立派だという意見が多いようです。

東京都でディーゼル車規制が言われる理由は、東京都での走行量では2割にすぎないディーゼル車が、自動車から出る窒素酸化物の約7割、浮遊粒子状物質の殆どを排出しているためです。

石原知事はまず、東京都ではディーゼル車に乗らない、買わない、排ガス浄化装置の開発を急ぎ、ディーゼル車への装着を義務づける、軽油をガソリンより安くしている優遇税制の是正など5つの提案をされたうえで、10のアクションプランをまとめておられます。このアクションプランのなかで、吹田市でも取り入れたほうがいいのではないかと思う項目をいくつか申し上げます。一つには吹田市におけるディーゼル車の利用と対策のありかたについて、インターネット上で議論を交わす討論会を行うこと。第二に吹田市の使うディーゼル車の代替推進、今後買い換えをされる際に代替できるものについてはディーゼル車を買わないということ、第三に吹田市の事業所への配送にディーゼル車を使わない「グリーン配送」の実施を目指し、納入業者にアンケートを実施すること、第四に市民の皆さんから黒煙を出すディーゼル車の目撃情報をFAX等で通報していただく、「ディーゼル車NO」アクションラインの開設、第五に低公害な自動車普及のための低利融資斡旋の実施などです。お考えをお聞かせ下さい。

また調査に時間がかかるようでしたら、次の議会までの調査依頼ということにさせていただきますが、吹田操車場跡地にトラックターミナルが出来たときに、吹田市内で発生する窒素酸化物や浮遊粒子状物質は理論上どのくらい増加するのか、またターミナルに出入りするすべてのディーゼル車が平成19年度を目途として実施される新長期規制に適合したとすると、その排出量はどの程度までおちるのか、ということについてもお答えいただきたく思います。

次に福祉問題について御質問させていただきます。介護保険につきましてはすでに多くの議論がなされましたので、財政に対する影響のみをお伺いいたします。現在の試算において介護保険の導入により、吹田市の費用負担がどの程度軽くなるかについて御説明いただきたいと思います。また現在吹田市の方針では現行の老人福祉法や老人保健法で行われている在宅サービスは、自立と判定された高齢者に対しても従来どおり行われる予定とのことですが、この部分も考慮に入れた場合、介護保険の導入によっても市の負担は殆ど変わらないとのお話も聞いておりますが、この点についても御説明いただきたいとおもいます。

もし介護保険導入によっても市の負担がトータルであまり変わらないということであれば、今後の高齢者の増加に対して、今と同じ枠組みでサービスを提供すれば、間違いなく市の財政は破綻してしまうわけです。可能な限りの公的な老人福祉サービスを行ったり、安価で質のいいサービスを提供する企業の育成に取り組むことは当然であるとしても、民間のサービスを買えないが、介護保険では自立と判定されるような人々に対する福祉ボランティアがどうしても必要になります。

吹田市でも介護問題に取り組む福祉ボランティアの方々は大勢おられますが、どのグループも運営資金で大変おこまりであると聞きます。ところが、福祉ボランティアに対する補助を行おうとする場合に問題になるのが、どのボランティアが本当に活発に活動をされているのか、また補助を行うべきなのか、基準がはっきりしないわけです。そこで、私どもからは吹田市独自のボランティア時間積み立てと連動した補助金制度(仮称・時間連動補助制度)を設けたらどうかということを提案したいとおもいます。実際に、より沢山のボランティア活動を行っているグループに、より多くの補助がなされるシステムです。

ボランティア時間の管理ということについては、ボランティア時間預託制度ということで、従来からさまざまな取り組みがございました。時間連動補助制度は、必ずしも理論的にはボランティアを積み立てた方が、その見かえりとして、将来優先的に無料でボランティアをうけられるという、時間預託制度の導入を意味しませんが、実際的には、各ボランティアの時間預託制度の導入を促進することになると思います。私達は、時間預託制度が昔あった村落共同体の互助を現代に復活させるキーになるのではないかと期待しています。この制度を実際に行っていらっしゃるグループと協同し、吹田で相互扶助の新しいシステムを構築する試みをおこなうべきだと考えます。

吹田市民も変わらなくてはならないと思います。良く使われるフレーズですが、自分が吹田市からどんなサービスを受けられるかを問うのではなく、自分が吹田市民に対し、何が出来るかを考えていただきたい。人の喜びとは必ずしもさまざまなサービスの提供を受けることにあるのではなく、人に何か役に立つことをしてあげることにもあるのだ、ということを高齢者を含めて皆が理解していただきたい。ある人に一言やさしい言葉をかけてあげる、気持ちのケアをする、これは行政が行おうとすると、とんでもない費用がかかることだけれど、市民の一人一人がやさしい気持ちになれば、難しいことではないのです。吹田市としても直接お金を使うのではなく、市民の、人の為に何かをしたいという気持ちを引き出す、そのような施策を行っていただきたい。市としてこの時間連動補助制度の検討会を定期的に開いていただきたいと思います。御答弁を宜しくお願いいたします。

公衆浴場に関しましては、従来から民間のおこなう事業であるということで、吹田市の施策の中には取りこまれてきませんでした。またこの問題は住宅政策の問題である、すなわち風呂を備えた住宅の建設を促進する狙いから公共の浴場を建設すべきではないという意見も伺っております。しかし、最近風呂を備えた住宅が増加したため、銭湯の採算が悪化し、いくつかの地域で、これまで営業していた銭湯の廃業があり、地域住民、とくに遠くの銭湯まで足を運ぶのが困難な老人は大変な不便を感じております。他の市町村では公営の浴場を設けておられる例も数あることですので、例えば、公民館に併設するとか、デイサービスセンターに併設するという形で、何らかの対応をすることは出来ませんでしょうか。お答えをいただきたく思います。

次に教育問題にうつらせていただきます。まず、学校教育と塾の違いを考えてみたいと思います。塾は学歴偏重社会の申し子のような存在です。塾では出来るだけ多くの知識を子供の頭に詰め込み、受験という競争に勝つことのみを教えます。いい高校にいって、いい大学にいって、一流企業、最近では医者か公務員になれ、とおしえる。これは結局、いい収入を得るための方法しか教えていないのではないか、ということです。また、塾では勉強のよく出来る子、勝者しか相手にしません。この競争から外れた子がどうなろうが、塾は全く関知しないのです。学校は違います。学校では、人間関係の形成の方法や、その子が生きていくための社会のルールを教えなくてはなりません。また一生勉強していくうえで必要な勉強のしかたや情報入手の方法、社会で大きな失敗をしないための教育など、学校教育についてはすべての子供に教育をゆきわたらせなくてはならない必然性があります。また、その子の将来を考え、職業選択まで考慮に入れた指導をおこなう必要や、単なる情報の教育ではなく、道徳性や、音楽や美術、スポーツなどの人間性の開発など学校教育に期待される要素は少子化の今であるからこそ大変多いと思われます。

さらにもうひとつ付け加えるならば、ぜひ学校で、日本人として、吹田市民として生きる誇りを教えていただきたいと思います。これは戦前の偏った愛国教育とは全くちがいます。子供にすべての情報を開示したうえで、子供たちに、君たちの先人が君たちのためにどのような苦労をしてこの町をこの国をつくってきたかを教えていただきたい。そして子供たちに、自分自身と、そして自分たちの子孫のために、君たちの力が必要とされているんだということをきっちりと教えていただきたいとおもいます。社会の一員として自分が必要とされているという思いは、子供たちの生きる力につながるからです。

このような観点から郷土吹田を愛する子供の育成に向け吹田市独自の副読本を多数作成しておられる吹田教育委員会のご努力に対し深く敬意を表します。そのうえで、若干気になる点がございましたので、申し述べさせていただきます。

副読本「わたくしたちのきょう土 大阪、吹田」に次のような記述がございます。

「Aさんの家では1日におよそ900Lの水を使っています。これはバケツにするとおよそ60杯分です。吹田市では平成2年にはおよそ5096万キロリットルの水が使われました。これは学校の大プールおよ20万倍の量にあたります。」 

このような記述が、表とともに、副読本の2ページを占めています。水道に関して正確な知識をとの意向はよくわかるのですが、数字や単なる事実の記載でなく、それを読んだ子供の心に郷土がどんな地域として目に映るかを考えながら、もっと吹田市に住んでいる人の顔が見える、例えばこの部分の記述であれば、水道を守って働いていらっしゃる人の顔が見えるような、そんな内容にしていただけないかと希望するわけです。また表紙の写真にしても、もっと吹田が好きになるような、そんな配慮が必要だと思います。

また環境教育という面から、くらしと環境という副読本についてですが、最初から、ごみの山や汚れた川の写真がでてきます。確かに環境を良くするためにこのようなことをしましょう、という呼びかけは大変よいことだと思いますが、もっと吹田の自然がすきになるような、例えば吹田の池にこんな魚がいますよ、とか吹田に蛍のいる森があるとか、こんな木がはえているだとか、万博公園の自然、吹田の竹林などを紹介して、自然を好きになってもらう視点も必要でないはないかと思いますが如何でしょうか。

次に進路指導という面に関しまして、大阪府の財政再建プログラムのなかで、進路指導主事が削減されたこともあり、子供たちの将来を見据えた指導が十分なされるのか、不安があります。吹田市の対応をお聞かせ願いたく存じます。

次に体育教育という面でございますが、最近運動会などを見させていただいておりまして、運動場のコーナーを曲がれない子供であるとか、まっすぐに走れない子供を散見いたしました。吹田市の子供たちの体力はどのようになっているのか、データーがありましたらお示し下さい。また体力向上のためにどのような指導を行っていくかお聞かせ下さい。

次に地域と生徒のふれあいについて質問させていただきます。

さまざまな要因により、小中学校におけるクラブ活動の指導教員が不足し、生徒の希望に合った形でのクラブ活動ができていないという話はよく耳にいたします。地域に生徒の指導が可能な方がいらっしゃれば是非学校に入っていただき生徒の指導をしていただきたいという要望もあるのですが、これがシステム的に広く受け入れられるためには、いくつかの前提があります。一つには、市民の人材を広く網羅した人材バンク、これを市で管理し、インターネットで広く公開することが必要です。もう一つには、せっかくボランティアを希望される地域の方には大変失礼なのですが、人材の質を担保するシステムが必要です。

現在体育について指導員の制度があるように、例えば、吹奏楽について、また特定のクラブ活動について生徒を指導できる資格を認定する市民大学講座をもうけることは可能ではないでしょうか。また自然観察指導員講座や、後でも別にふれますが、コンピューター教育補助員、日曜大工指導員、家庭園芸指導員など、吹田市の何らかの活動のリーダーとなれる資格を市民大学講座に設けていく、その修了者については学校や地域の活動にどんどん入ってきてもらうようなシステムがあれば良いとおもうのですが、お考えをお聞かせ下さい。

また一方で生徒たちが、地域の活動に参加することも大切です。総合学習の時間のなかに、老人ホームや保育園、地域の清掃活動などに、直接参加させることにより、体で自分と社会とのつながりを感じるような機会を増やしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

最後に情報教育の推進について一言申し上げます。現在各中学校に配置されておりますコンピューターは型が古く、指導機材としてまったく適さないものです。またコンピュータの価格は最近急激に下落しており、十年前に数十万円したセットが現在数万円で入手できるケースもあります。早急に新しい機種に更新するとともに、台数も大幅に増やしていただきたいと思います。ところで、コンピューターの台数が大幅にふえますと、教員一人ではクラス全員の指導がかなり難しくなるために、補助員が必要になってきます。そのようなときに、先にのべた、市民大学の講座を受講したコンピューター教育補助員が、地域からサポートすればよいと思うのですがいかがでしょうか。

さらには、各中学校にコンピューターが多数設置されれば、その教室でコンピューター講座を開くべきだと思います。近年労働者としてもコンピューターの技能の有無が就職に影響するケースがふえていますので、市民ニーズは大変大きいと考えます。またコンピューター教室の生徒や市民に対する開放も必要です。吹田市が先進都市でありつづけるためには、市の業務のコンピュータ化に加えて、市をあげてのコンピューター教育が大切です。この姿勢を情報共和国という言葉に込め、吹田市は情報共和国を目指すという宣言をされるべきだと思います。

ついで吹田操車場跡地利用問題について御質問いたします。まず市長はつねづね環境対策は操車場跡地利用の前提であるとおしゃっていらっしゃいますので、付近の環境対策についてはここでは御質問いたしません。環境対策を十分行った上で行う利用の方法についてですが、現在市からは、ものづくりコラボレーション、アミューズメント・セラピー、フィールドキャンパスの三つの基本コンセプトが提示されております。私は市民にコンセプトを提示されるときにこれほど分かりにくい言葉で表現されるのはどうかと思います。ものづくりコラボレーション、これは日本語なのか英語なのか、またこの言葉を聞いて意味を理解できる人がだれかいるのか、私は市民に夢をあたえるのはいいが、煙に巻くことは
するべきでないとおもいますので、今後の命名についてはもっと分かりやすい言葉をつかっていただくことを希望いたします。

次いで市民参加による意思決定という点についてですが、作業のどの時点で、どこまでの情報を市民に開示して、何を発言していただくか、という点については今後の公共事業選定の一つの指針になるべきものですから、吹操跡地利用問題に対処するためのやり方ではなく、一般性をもった、手続きに沿った処理を行っていただきたいと思います。

先ほど述べました政策評価研究会の事前評価の4段階にそって考えるとすれば、市民参加は1と2に関連する市民ニーズの掘り起こしの段階と、4.の選択肢が固まったあとの選択の段階で考えられます。私は、阪口市長が現段階で100人委員会を提唱されることは、市民ニーズの掘り起こしという意味では大変重要なことではないかと考えます。そこで100人委員会について数点御質問いたします。

まず今後継続的に行われることですから、100人委員会の位置付け、法的な根拠はどうなっているのかを明らかにする必要があります。第一点としてお聞きいたします。次に、市民の意見を広く集めるという意味では、今までから市長への提言はがきや市政モニターの制度がありました。これらと100人委員会ではどう違うのか、100人委員会を開くことのメリットは何であるのかをお聞きしたいと思います。

第三点として委員会の委員を選出する方法が問題です。選出方法により、委員の意見がある方向に偏らないようにするための制度的な保証が必要だと考えます。

第四として委員会のなかに、市民には含まれない学識経験者を含む必要はないのかということです。専門的な立場から助言、アドバイスを行う方が必要ではないでしょうか。

第五点として、100人委員会が、市長の私的な諮問機関でない以上、発生するいろいろな経費について予算化をする必要があるとおもいますが、この点はいかがでしょうか。

最後に現在考えられている100人委員会は吹田操車場跡地の利用計画と、千里ニュータウンのあり方について、そして21世紀ビジョンづくりについてと3つのようですが、これは今後増えていく可能性はあるのか、またこれらの三つの立ち上げはいつ頃になりそうなのかお聞かせ下さい。

先日吹田操車場跡地利用特別委員会の視察で、清水市と、静岡市に行ってまいりました。この視察について、特に静岡市で見せていただいた自由通路について簡単に感想をいわせていただきます。

静岡市におきましては、新しくつくられた東静岡駅において、現在吹操跡地でも考えられております敷地の南北を結ぶ自由通路を見てまいりました。長さ154メートル、幅は狭いところで15メートル広いところで25メートルある堂々とした通路で事業費は63億円であったとのことです。東静岡駅の周りは県立の立派なホールはありましたが、それ以外の大きな設備はまだなく、将来の駅周辺の開発を見越した先行投資であるとのことでしたが、なぜここに、これほど立派な通路が必要なのか、首をひねりたくなる思いがいたしました。また通路では時々展示会が開かれたりするとのことでしたが、いくら立派でも通路は通路であり、もし美術館がほしいのであれば、別につくればいいのではないか、との思いがいたしました。

同時に静岡市で見せていただきました藍染めの美術館、芹沢美術館が、市立としては本当に立派な、敷地面積が1,100坪もある美術館でしたが、総事業費が七億六千万円程度とのことでした。63億円というお金でいえば、清水市でみせていただいた、清水エスパルスのホームグラウンドであります日本平運動公園球技場が、2度にわたる工事の総工費でそれぐらいであったと聞きました。

このサッカー場は清水エスパルスとともに本当に市民から愛されているという感じがいたしました。サッカー場と通路、単純に比較はできないにしろ、現在の市民生活の満足度への寄与については大きな違いがあるように思われます。公共投資の選択については先ほどから何度も申し上げておりますとおり、事業において、どんな公共の福祉を目指すのかをきちんと指標化し、市民の理解が得られるような選択を行う必要があると感じました。

吹田操車場跡地につきましても、そこにどのような市民の公共の福祉、便益を目指すのかをさきに明確にすべきだと思います。まず開発ありきではなく、ある指標化された目標を達成するためにこれだけのコストをかける、これでよろしいですか、というプランを、いま出されている案よりもっともっと具体的な案をいくつかつくり、それを選択するために、また市民の意見を伺うといった手続きが必要であると思いますが、御意見をお聞かせ下さい。

下水道の整備予定について簡単に聞かせていただきます。この静岡市などへの視察の日、吹田市では局地的な大雨にみまわれ、吹田市のなかでも、江坂、垂水、南吹田など、本当に一部の地域だけで、道路の冠水、家屋の浸水がおこりました。この原因につきましては下水道部の御説明によりますと、この地域の下水管の敷設が早い時期であったため、管の口径が細く、ちょっとした大雨でも浸水さわぎになるとのことでした。江坂駅前のマンションや、銀行の駐車場など、街の中心地がこのような事態になるのは、決して放置できることではありません。バイパス工事や下水管の取替えなど、今後の計画をお聞かせ下さい。

次に水道事業についてお伺い致します。先日の企業決算委員会におきまして、私が意見を述べさせていただいた点に関してですが、平成元年と平成10年を比較した場合、配水給水費のうち、委託料、工事請負費、路面復旧費が4倍から5倍に増えております。事業部からの説明によりますと、工事増加の原因は石綿管のとりかえということであり、またこれらの費用は今後千里ニュータウン地域の異型管取替えのため今後も増加する見とおしだとのことですが、私をふくめまして、決算委員会の委員は水道管についてはまったく素人であり、本当にこれらの事業が必要であるのか、検討する能力を持ちません。水道事業に関しましては、企業として運営しておりますが、費用の増加については水道料の値上げで市民に転嫁することも可能で、費用削減へのインセンティブが働きにくくなっています。工事の必要性について、外部監査が必要だと考えるのですが、御意見をおきかせください。

また車で市内をはしっておりますと、水道工事、下水道工事、ガス工事、路面整備工事などで、市内の道路の多くの場所で工事がおこなわれています。これらの工事について、可能な場合は出来るだけ同時におこない、費用を最小化すべきだとおもいます。実際的には難しい部分が多いとはおもいますが、御意見をお聞かせ下さい。

次に消防についてお伺いいたします。今回の東海村の事故におきまして、日本に臨界事故を想定した事故処理班がなく、装備もなかったことが、大きな衝撃をあたえました。吹田市の消防本部におかれましても、大災害の場合には命を賭して、人命救助や災害対策を行われることになります。そこで、お聞かせ願いたいのですが、吹田市内で化学プラントなどが火災などを起こした場合、対応できる装備をお持ちなのかどうか、ということ、それから、これは念のために確認させていただきますが、吹田市内に事故を起こす可能性があるような放射性物質を取り扱う場所があるのかということ、またもしあるなら、万一の場合対応が可能なのかということについてお答え下さい。また、隊員の宿泊所の一部が老朽化し、隊員の健康を損なうおそれがあるということもお聞きしていますが、お聞かせ下さい。

最後にコンピュータの2000年問題についてお聞きいたします。先日私が、つい数年前に買ったコンピュータをさわっておりましたら、エクセルバージョン1が2000年の計算を過ぎたところでフリーズしてしまい、ファイルそのものが、だめになってしまいました。私はコンピュータの2000年問題というのはもっと何十年も前のソフトで起こるのだろうとおもっておりましたところから、大変な驚きを感じました。吹田市でも沢山の情報がコンピューターで管理され、また市民病院などでは、患者の命が、コンピューター管理された機器のなかで維持されています。吹田市において2000年対策をどのように行われているのかをお聞かせ下さい

これで質問を終わります。

 

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