◆ 吹田市議会における質問 (平成23年9月議会質問)

 みんなの未来の山口克也でございます。個人質問をさせていただきます。まず「行政の維新プロジェクト」について意見を述べさせていただきます。

 井上市長が就任早々財政非常事態宣言をし、収入に合わせて支出を組むという財政規律を重視する姿勢を打ち出されたことは納得のいくものであります。特に平成23年度当初予算に計上されている普通建設事業15事業のうち、11事業を中止、2事業を一部見直しとされ、それで一部の事業を除き大きな反対が出ていない状況を見ると、中止は妥当だったと申し上げざるを得ません。しかしながら、この行政の維新プロジェクトのうち、事業見直しについては、他の議員からもご指摘がありますように、吹田市のこれまで作り上げてきた共同体としての資産、そして未来の可能性を傷つけないように注意深く行われなくてはなりません。特に重要な三点を指摘させていただきます。

 まず、吹田市民の信頼を失ってはならないということです。沢山の市民が、自治会の活動、子ども会の活動、あるいは公民館の事業、福祉事業などにボランティアとして参加してくださるのは、吹田市に対して市民の信頼感があり、そして事業が継続して行われてきたものであるという積み重ね、事業の歴史があるからです。吹田市に対する市民の信頼というものは、吹田市の予算書にも決算書にもあがってまいりませんが、吹田市の最も重要な資産であります。また、継続して行われている事業は、それ自身が吹田市の資産であります。たとえば、再生資源集団回収報奨金交付事業が、今回事業見直しの対象として上がってきておりますが、この事業が行えるのは、非常に多くの方々がボランティアでゴミの分別と収集をして下さっているからです。もし事業者に同じことをやってもらおうとする場合、はるかに大きなコストがかかります。あるいはこの報奨金は、長期間多くの自治会活動や青少年育成活動を動かす原資となったものです。このボランティアの力や、地域における事業の意味を無視することで、間違いなく吹田市は市民からの信頼を失います。

 次に、切り捨ててはならない福祉があるということです。不効率なものでも、特に福祉の分野においては、それを取り去ることはあまりにも特定の人たちにかわいそうだろうという事業があります。その事業があることが、吹田市がある人たちに対して、あなたのことを見ていますよ、あなたのことを大切に思っていますよという気持ち、意思を示しているような事業があります。吹田市がそんな事業を切り捨てることで、吹田市は間違いなく市民の信頼を失います。だから吹田市は、実際に困っている人たちを見ている担当者や、あるいは幅広い層の市民から見直しについて強いクレームがくるような項目については、切り捨ててはいけないのです。事業見直しの事業調書は、大変よく出来たものであると思いますが、樹木で言うと土の上に出ている部分、幹や、枝、葉のようなものです。どんな根をはっている事業なのか、それは担当者、当事者でなくては分からないものなのです。ですから、どんな手法についてもそうですが、ある手法を取り入れる場合、その手法の限界を理解する必要があります。医者が薬の効能ばかりではなく、副作用も理解しなくてはならないのと同様です。事業見直しを行われる方には、この手法の限界をよくご理解いただきたいと思います。

 三つ目には、吹田市の成長のエンジンを傷つけてはならないということです。まずは子どもたちや若い世代の未来に対する想像力を持つことです。職員体制の見直しにおいては、20年先の職員構成まで予測して見直しを行わなくてはなりません。そして、事業の民間委託が官製ワーキングプアーを生み出すようなものではあってはならないということは言うまでもありません。そして吹田市の成長のエンジンたる文化、教育についても、可能性の芽を摘むようなことをしてはなりません。事業見直しにおいては、文化事業が無駄だとして切り捨てられることが多いのですが、これからの都市間競争においては、都市の文化性が大切になってまいります。吹田市がどのように文化性を向上させていくのか、未来の可能性まで見据えた見直しが必要です。

 注意点を述べさせていただきましたが、このような点に十分に配慮しながら、しっかりと吹田市の財政健全化を行っていただきたいと思います。市長の答弁を求めます。

 補正予算に計上されております空調設備実施設計委託についてお伺いいたします。
学校教育部は、現在、小中学校等の耐震改修事業と空調設備整備事業を、最優先の課題として進めておられます。耐震改修と、温度環境の改善は、間違いなく推進しなくてはならないのですが、空調設備整備事業には疑問を感じます。

 文部科学省と環境省は、学校のエコスクール化、エコ改修に力をいれておられ、平成23年度からエコ改修事業が文部科学省の補助金の対象となりました。エコ改修には壁等の断熱、高効率照明、新エネルギーの導入などが含まれています。吹田市は、学校の温度環境の改善を図ろうとする場合、すぐに電気を大量に消費するエアコンに飛びつくのでなく、さまざまな校舎の改良を施した上で必要な個所に最小限のエアコンをつけるのが、省エネルギーのためには正しい方法だと思うのですが、今回の空調設備実施設計委託は、来年度予算で全室にエアコンを配置する予定の7中学校について、文字通り空調システムだけの設計を委託しようとするものです。空調システム本体工事にどのくらいの予算がかかるのかと申しますと、本年度の予算の数字になりますが、小中学校等合計7校128教室で2億6千万円、受電設備の増設などが含まれておりますが、単純な割り算をすると一教室当たり200万円を超える費用をかけて空調システムを導入することになります。私はこの金額が妥当でないというつもりはありませんが、過剰品質なのではないかと思います。学校の教室にエアコンを入れる場合、遮光するなどの日光対策をすれば、オフィスや店舗用のような冷房能力は必要ありません。空調設備の設計を委託する前に、本来吹田市は、学校をエコスクールにするという目で、学校教育部内の専門家か、あるいは外部コンサルタントに学校全体のエコ改修の設計をさせる必要があったのではないでしょうか、お伺いいたします。

 7月議会で私は、窓につかう熱線遮断フイルムや熱交換塗料という新しい機能を持った塗料を紹介いたしました。今回、学校教育部にこれらの製品を検討してみましたか、と聞いたところ、出来ていないというお返事でした。学校の温度環境の整備には0.1人くらいしか担当者をあてていないから、検討が進まないというのです。数年で10億円を超える投資を必要とし、吹田市自身の地球温暖化対策の要となる大事な分野です。どうしてこれほど少ない人員しか配置出来ないのか、学校教育部は説明して下さい。特に今、学校にはエアコンとともに太陽光発電システムの導入の検討が必要でしょう。この点についてもお考えをお聞かせ下さい。

 次に給食と吹田市の環境の安全確保についてお伺いいたします。これまで発表されている吹田市の水道水の放射線量や、大阪府が発表した下水汚泥の放射線量を見ると、吹田市は今回の原発事故の大きさから考えるとまさに奇跡的に放射能被害を免れているようです。だからこそ、今後この吹田市の環境を被災地からの瓦礫を受け入れて焼却処理することにより放射能で汚染したくないと強く考えるのですが、市長はどのように感じられておられますかお答えください。大阪府内で今後被災地の瓦礫が他市や業者によって処理されることのないよう、吹田市はしっかりと注意しておかなくてはならないと思いますが、現在の大阪府や他市等の状況をふくめて、吹田市の立場をご説明ください。

 つぎに、給食の安全性の確保についての質問に移りたいと思いますが、そのまえに、私が個人的に経験したことを一つお話しすることをお許しください。私が私の自宅のすぐ傍に住んでいる両親の家に行った時のことです。家の中に入りますと、テーブルの上に立派な桃が段ボールケースに入ったまま置いてありました。私はおいしそうだなとおもったのですが、箱を見ると福島県産と書いてありました。わたしは驚いて、そして腹が立ってきました。母親が放射能の危険を知らないで桃を買ってきたと思ったのです。二階から階段を下りてきた母に、「お母さんどうしてこの桃を----」と言いかけました。すると母は困ったような顔をして言いました。「この桃を見た時、テレビで見た福島で桃を作っていらっしゃる農家の方の顔を思い出してね、わたしももう70を過ぎているし、私がこの桃を食べようと思って買ってきたのよ、何も言わないでね」私は、自分の考えの浅さが恥ずかしくなりました。私と母はおいしく桃をいただきました。しかし私は吹田市の子どもたちに事故をおこした原発の近隣でとれた食材を食べさせたいとは思いません。特に吹田市は給食という場において、何よりも子どもたちの健康に責任を負うわけですから、しっかりと子どもたちの内部被ばくが最小になるように努めなくてはならないのです。
 放射性物質による内部被ばくから子どもたちを守ろうと最大限の努力をされている市長がいらっしゃいます。長野県松本市の菅谷市長です。菅谷市長はチェルノブイリ原発事故後に現地で医療支援を行った経験から、内部被ばくの恐ろしさについて警鐘を鳴らし続けている人物です。松本市は、農産物などから放射性物質が検出されたり、出荷制限が出されている地域の食材を使うことを避けているのです。たとえば、ネギを使う献立で、茨城県産しか入手できないとなった際、産地の異なる別の野菜に変更して調理したのです。吹田市も、問題が表面化した牛肉については給食への使用を止めておられますが、その他の食材については、どのような取り扱いをしてきたか、ご説明ください。お母様方が大変心配していらっしゃいます。今後、どの県の食材を使用したか、継続的に公開すべきだと思いますが、お考えをお示しください。

 また、大阪市や京都市などで、食材の放射能測定をはじめたようです。吹田市も放射能測定を行うべきだと思いますが、市長はどのように対応されるおつもりかお答え下さい。

 つぎに、東京都が携帯電話の推奨基準を策定したことに関連して質問させていただきます。携帯電話については、利便性のみならず、娯楽性が最近とみに高まり、子どもたちの使うサービスも多様化しています。子どもたちの利用している問題が生じる恐れのあるサービスを列挙してみますと、メーリングリスト、バトン、学校裏サイト、プロフ、リアル、コミュニティーサイト、アフィリエイト、オンラインゲーム、リアルマネートレード、モバゲータウン、復讐サイト、自殺サイト、モデル募集サイト、ホストサイト、ケータイ小説などがあります。今後もっと増えるかもしれません。本当なら親が子どもの携帯使用について監視しなくてはならないのですが、サービスが多様化複雑化し、子どもの携帯使用に親の携帯使用能力がついていかず、子どもの管理が出来ないというのが実情のようです。
 
 そこで安倍晋三首相が設置した教育再生会議以降、青少年ネット規制法や、文部科学省の小中学校への携帯電話の持ち込み原則禁止方針など、携帯電話の弊害を食い止めるための努力が積み重ねられ、自治体レベルでも、佐賀市や石川県などで携帯電話所持規制が条例化されました。海外では、全く違った観点から、すなわち携帯電話の使う電磁波の安全性への疑問からEUのいくつかの国々で青少年の携帯電話使用が禁止されています。
 
 東京都教育委員会は、従来から生徒や保護者、教師に対し、必要のない限り携帯電話は持たせないように発信を続けられていましたが、本年6月20日に東京都は、青少年に携帯電話やPHSを持たせる場合の推薦基準を全国で初めてとりまとめました。都では保護者が子どもに持たせる携帯電話を選ぶ際の参考にしてもらいたい考えで、この基準に基づき、都青少年健全育成条例に施行規則を定め、7月1日から施行しました。この基準は首都圏の三県でも採用され、今後携帯電話事業者はこの基準に合致した機種を作り、都の検討委員会を経て、推奨携帯電話が各事業者から販売されるとのことです。
 
 携帯の危険性は恐るべきもので、ある有名私立高校でも、最近一学年で10人を超える生徒が、携帯ゲームを通じた依存症に陥り、ある日突然学校に来なくなり脱落していくという現象が起こってきたそうです。そこでその学校では、携帯の危険性を保護者に通知し、依存症の生徒に対し、携帯ゲームなどをしないようご両親と先生方のチームを組んで対応にあたったのですが、学年の中で数人は、依存症から抜け出せず、いまだ部屋から出られない状態にとどまっているというお話を仄聞いたしました。お伺いいたします。吹田市の小中学校の児童・生徒の携帯使用状況や、問題の発生状況について、吹田市は何か調査を行われたことがありますでしょうか、お答えください。私は吹田市でも携帯電話について東京都と同様の対応をされるべきだと思います。事業者は首都圏で推奨携帯電話を作られたのですから、これを吹田市内でも購入できるように、吹田市は近隣市や大阪府と協議して同様の条例、規則の整備をされるべきだと思いますが、どのようにお考えでしょうかお答え下さい。

 発言通告書では、下水道事業についてお聞きする予定でしたが、時間がございませんので、質問を割愛させていただきます。これで一回目の質問を終わります。

 お許しをいただき、二回目の質問をいたします。
先日日経ビジネスを読んでおりましたところ、日本の稼げる技術100という特集をしておりまして、再生エネルギーなどの電力分野を除いて目新しい技術がほとんど出てきていないことに驚きました。

 成長を目指す、日本そして吹田市でありますが、新しい技術が現れず、なおかつ国内で流通する商品の物量がこれ以上増えると想像できない今、成長の分野は、芸術をふくめた感性にかかわる分野しかないと思われます。

 私がかつて視察で多治見市を訪れた時、陶器会社の役員の方が、こんなことを言われました。「我が社は、ヨーロッパのメーカーから委託をうけて製品を作っている。この1,500円で売られているカップを我々は300円でつくることができる」
自慢そうにお話しされたので、私は驚きました。委託して300円で作れるものを、1,500円で売ることができる、それがそのヨーロッパの会社のデザイン力であり、ブランド力ではないでしょうか。

 最近亡くなられたアップル社のスティーブ・ジョブズ氏が開発されたiPhoneやiPadなどでは、機能以上に触感やデザインが重視されていました。吹田市の未来のために今厳しい財政再建を行われている井上市長ですが、吹田の将来的な発展のためにも、吹田の公共施設、特に小中学校のデザイン性と環境適合性を向上させていただきたいと思います。吹田市の感性を向上させる事が、その感性に魅かれる企業や市民を地域に呼び込み、地域の活性化につながると思います。そのためには、公共建築の建設のみならず、大規模改修などでは、設計のプロポーザルを公募するべきだと申し上げさせていただきます。

 そして、議会です。現在議事運営委員会で議場へのプロジェクターの導入が検討されておりますが、データの視覚化、共有が可能になることにくわえて、デザインなどについて情報を共有して議論ができることも大きなメリットです。私には学校校舎だけについても、先進都市のエコデザインの事例や、美しい図書室など、皆様に見ていただきたいものが沢山あります。視覚情報を共有して議論することにより、吹田市議会の芸術・感性にかかわる議論が活発化し、それがひいては吹田市全体の芸術・感性の向上に結びつくと信じます。
市長、なにかご意見がありましたら、一言お話し下さい。これで質問を終わります。

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