◆ 吹田市議会における質問
(平成23年12月議会 みんなの未来代表質問)

 みんなの未来の山口克也でございます。この重要な12月議会の最初の代表質問を行えることを光栄に思います。質問をさせていただきます。

 先月ブータンのワンチュク国王夫妻が来日されました。ご夫妻は東京で歓迎式典や宮中晩餐会に出席されたあと、国会で歴史的な演説をされました。ブータンと日本の長い親交の歴史をふまえ、東日本大震災で被災した日本国民に対し、心温まる励ましの言葉をかけて下さいました。多くの日本人が、ブータン国王夫妻の言葉やお姿から、我々日本人が忘れていた沢山の大切なものを思い出すことができました。その大切なものの一つを言葉にするなら、それは人間という存在に対する信頼感でしょう。お二人に感謝し、お二人とブータン国民の末長い幸せとご繁栄を祈りつつ、質問を始めさせていただきます。

 現在井上市長は、吹田市の厳しい財政状況の下、行政の維新を進められようとしています。後で述べますように、私は財政改革は行わなくてはならないものと思っておりますが、財政改革が会計帳簿上のつじつまを合わせるためのものになってはならないと思います。この作業を通じて行政の無駄を省き、より市民にとって必要な行政サービスに資源を集中するための改革でなければ、たんなる市民サービスの切り捨てになってしまいます。ですから、市長はこの改革の全ての項目を、市民にしっかり説明できるものにしなくてはなりませんし、また、全ての時点において改革の必要性をしっかりと市民に訴えかける必要があります。市長は、厳しいことを申し上げるようですが、改革の過程においても市民の信頼を失ってはならないのです。

 最初にふれましたブータンにおきましては、憲法に「国民総幸福」を追求することが明記されています。そしてブータン国民の97%が幸せですとアンケートに答え、その理由の一つが国王に対する信頼にあるそうです。吹田市民を幸せにするために、あるいは菅直人前首相の言葉を借りると「最小不幸社会」を作るためにあるのが自治体ですから、市長に対する信頼感はなくてはならないものです。そこで質問致します。吹田市は吹田市報の発行のたびごとに、「あなたは幸せですか?」「あなたは吹田市政を信頼していますか?」というアンケートをとるべきだと思いますがいかがでしょうか?そしてその信頼は、具体的な数値で裏打ちされるべきだと思います。私は「最小不幸社会」をつくるために必要な指標である、市内の破産件数、失業率、自殺者の数、孤独死者の数、乳幼児死亡率、平均寿命、合計特殊出生率、生活保護受給者数、その他市民から市への要望やクレームの内容と数については、市が傾向を認識しておかなくてはならないと思うのですがいかがでしょうか?把握していらっしゃるものがあれば、その数値の種類と傾向についてお答えください。そのような一人ひとりの市民の不幸をしっかりと認識しながら、涙を流しながらでなければ、市長は市民サービスにメスをいれてはならないと思います。

 しかるに一方、吹田市のこれまで行ってきた財政運営は、まことに放漫であったとしか言いようがありません。それは、市民や職員を幸せにしたかというとそうでもありません。なぜなら、そのような状態に慣れてしまうと、人間の感覚は鈍化してしまい、特殊な状態であることを認識できなくなるからです。その感覚を元に戻すためには、他市との比較をすることが一つの方法です。
 市町村財政比較分析表というものがあります。これは各市の重要な財務分析指標を類似団体と比較したものであり、吹田市の現状を認識することができます。現在入手できる最新版は、まだ平成21年度普通会計決算のものですが、これを見ますと吹田市の財政力は1.11で類似団体41団体中4位と大変高いにもかかわらず、経常収支比率は41団体中41位です。経常収支比率の全国市町村平均が91.8%であるのを見ますと、吹田市の101%がいかに高い数値かが分かります。平成22年度においても臨時財政対策債を経常一般財源から除いた経常収支比率は103%でした。これをもたらしたのが、人件費、物件費、扶助費の多さです。歳出比較分析表という、これも各市について作成されているものを見ますと、人件費比率は36.2%で全国市町村平均の26.7%を大きく上回り、全国41団体中41位、最下位です。また、物件費が41団体中31位、扶助費が41団体中39位で、これらの支出が突出して多かったことが分かります。逆に少ないのが公債費で、41団体中3位です。これは地方債を慎重に検討して発行してきたためですが、必要な施設の老朽更新などを行ってこなかったことにも原因があり、これが隠れた負債になっている可能性があります。このような指標をみると、吹田市がこれまでに行ってきた行政のありかたは、決して持続可能なものではなく、強い財政力に過度に寄りかかった不安定なものであると言えます。いまだに議会の中でも、吹田市の財政はそれほど悪くないという声もあり、雑誌などで、吹田市が近畿一位のサステナブルシティーだと書かれると、それを財政的にもサステナブルだと勘違いされる議員や市民の皆さんもいらっしゃると思いますので、市長はここでもう一度はっきり、吹田市はこのままでは決して持続可能でないこと、及び、どうしてこのような状況になったかをご説明ください。だからこそ、市長の仰る行政の維新は、市民の幸せを奪わないように細心の注意を払いながら強力に推進しなくてはならないのです。

 このような財政状況の中で、吹田市は使用料・手数料及び自己負担金改定に関する基本方針を改定されました。基本的な考え方として、「受益と負担の公平性の確保」を目標とし、結果として歳入確保策に繋がるとされています。私は、歳入増加の必要性から使用料等を値上げされることに賛成致します。しかし、今回の提案で示された値上げを、受益と見合った負担と表現されることには強い疑問を感じます。それは、今回の価格改定の基礎となったコストには、施設の建設や維持に必要な費用が全く含まれず、サービスを行うために必要なトータルコストには遠く及ばないからです。市の施設において、利用者からサービスの提供に要した費用をすべて回収することは不可能なのです。自治体が何をしているのかを考えると、そもそも一番大きな負担をしているのは納税者であり、市はその納税者や国や府の力をいただいて、市民に対し自治体でしかできないサービス、別の言葉で言わせていただくなら低料金での公共施設の提供という優しさの提供を行っているのです。だから、使用料は、お金をいただいて使用者の数を調整し、あるいは民間施設とのバランスをとるなど、総体としての市民サービスの最適化を行うためにあるものです。使用料が高すぎて施設の利用率が減るようなことがあれば、あるいは市民が市に対する信頼感を感じなくなるようなことがあれば本末転倒です。今回提案された全ての使用料等の改定を見直せとはいいませんが、担当者は適正な市民サービスのありかたをふまえて一つ一つの使用料を決めたか自省してみてください。受益者負担ではなく、手数料の適正化ではないですか?お答えください。

 次いで一点だけ質問をいたします。今回の改定において、幼稚園使用料と保育料が値上げされました。一方で事業系ごみの処理手数料については据え置きされました。この事業系のごみの処理手数料については、市が負担する建設費等が反映されていない手数料の一つです。また実際にごみ処理にかかっている人件費・物件費だけでも、この手数料よりも大幅に高いものです。吹田市の手数料は10キロ当たり70円ですが、豊中市は、この事業系一般廃棄物の処理手数料を来年度から87円に引き上げると発表されています。それにもかかわらず、吹田市が今回この処理手数料について見直しをされなかったのはなぜでしょうか、お答えください。1キログラムあたりの処理単価を2円値上げしただけでも、吹田市の収入は毎年約1億円増加します。発生するゴミの量を減らすという目的のために、ゴミ処理手数料はたばこの料金と同じで、これから高めに誘導していくのが適当です。一方子育ての費用は徹底的に安くして、子どもを経済面をあまり心配せずに生んでいただける環境をつくらないと、市や国の存立が危うくなることを皆が知っています。それなのに、今回の手数料の改定にあたり、吹田市がおこなわれた判断は全く異なるものでした。どうしてごみ処理手数料を据え置いたのかお答えください。

ついで、吹田市のいくつかの施設についてお伺いさせていただきます。まず千里南地区センターについてお伺いいたします。7月の代表質問で申し上げさせていただいたのは、村野藤吾が設計した地区センタービル、市民センタービルを生かした地域づくりが、南千里の街をより魅力的なものにするということでした。あれから、市の担当の皆様からさまざまなお話しを伺いました。緊迫した吹田市の財政状況のもと、使われる予定のない建物を長く市が管理することは難しいという説明は理解できました。
 しかし私はこの二つの建物に利用方法がないとは思えません。確かに、これまで二つの建物で行われていた事業の多くは、南千里駅前公共公益施設や夢つながり未来館に移転します。しかしながら、それでもこれら二つのビルを今後も利用するテナントはいくつかありますし、学生の多い阪急千里線の駅前という立地から、次に述べるような使用方法も考えられます。
 一つは、現在メロード吹田で行われているJOBナビ、JOBカフェの事業をこれらのビルに移転することです。JOBナビ・JOBカフェの事業で現在支払っている賃料がなくなりますし、南千里という立地は、若者の就職支援の観点からはよりよい場所ということになります。
 二つ目は、EBIC吹田事業の中止の後、方向が見えていない起業家支援の施策をこれらのビルを拠点として行うことが考えられます。JOBナビなどと近接した場所でこの事業を行うことにより、より充実した若者、起業家志望者の支援が可能になると思われます。
 三つ目には関西大学と協力して、この場所に留学生と吹田の学生、市民が交流できる場をつくるということです。関西大学は、来年4月に南千里駅前に南千里国際プラザを開講され、世界中からの留学生が南千里駅前に集うことになります。これらの留学生たちと、日本の学生そして吹田の市民が自然に交流できる場を、地区センタービルや市民センタービルでつくり、関西大学に運営してもらうことはできないのでしょうか。また、関西大学以外にも、この建物を使用するテナントを吹田市が探すことはできないのでしょうか?プラネタリウム施設などについても運営したい企業・NPOがある可能性があると思うのですが募集してみたらいかがでしょうか。公的な施設の建築・解体には莫大な費用がかかり、今後吹田市が新しい建物を持つことは難しくなるでしょう。そうであるからこそ、まだ使用できる建物については、すべての可能性を探って利用し、維持していくべきだと考えます。私の3つの提案についての市のコメントを求めます。
 なお、この千里南地区センターについては、タウン管理財団が、両ビルの底地が含まれるリザーブゾーンについて、先日事業者の募集を始めました。どのような建物をリザーブゾーンに立てるのか指定もされています。あらたな商業テナントも大量に入居できる仕様になっていて、ガーデンモール南千里の商店主さん達は、非常に怒っています。建物の取り壊しなどについて、吹田市議会の意思はまだなにも表明されていないのに、タウン管理財団から民間への土地の売却が行われることは避けていただきたいと思います。事業者募集の中止を市からタウン管理財団に申し入れてください。

 南千里駅前公共公益施設についてお伺いいたします。私はこの新ビル内に置かれる施設のなかで、平和記念資料室、千里ニュータウン建設記念館は、非常に利用者の少ない施設ではないかと思います。駅前の、機能的な高コストのビルを折角お建てになったのですから、多くの市民の訪れる施設を優先して入居させ、先程あげた2つの展示機能が中心の施設は、より落ち着いたふさわしい場所に置かれるべきだと思います。
 逆に千里図書館の機能強化を行うべきです。吹田市は近年、千里山・佐井寺図書館、山田駅前図書館と二つのコンパクトな評判の良い図書館をつくられました。また、千里丘図書館も平成24年度から開館されます。利用者の声を聞いてみますと、本を落ちついて読むスペースがあってよい、本の冊数を増やしてほしいと、図書館に対する要望には大きなものがあります。一方で、市民の足の運びやすいところに図書館は出来ましたが、一つ一つの図書館の規模につきましては豊中市などと比較して大きく見劣りがします。吹田市の図書館サービスはもう少し拡充しても良いと思われます。この意味で千里図書館の機能強化には必然性があります。このタイミングで何をいうのか、と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、運用が開始されたら、変更は出来なくなります。さまざまな大胆な改革を行われている井上市長ですから、きっとこの件についても、正しい決断を行っていただけるものと思います。市長の英断を期待し、答弁は求めません。
 他の市立図書館についても少し述べさせていただきます。吹田市の中央図書館の建物は老朽化し、吹田市の市民サービスに対する感覚が疑われるほどまで悪い状態になっています。本格的な図書館の建て替えには莫大な費用がかかりますが、早急な建て替えが必要です。私はこの建て替えでつくる次の中央図書館は、現在のものよりも機能や蔵書数を縮小したもので良いと思います。それは本のインターネット通販や、古本の流通量が増し、従来と比較して本の収蔵に関する市民ニーズが減少していると考えられるからです。むしろ片山には豊かな読書スペースのある中程度の図書館を建てることが市民ニーズに合致しているのではないかと思います。規模を縮小しての早急な建て替えを望みますが、市のご所見を伺います。
 そして江坂図書館にについてお伺いします。江坂図書館は、吹田市の図書館のなかでも床面積が511㎡、図書数が53,000冊ともっとも小型の図書館です。駅に近く、常に来館者で賑わっています。読書スペースも不足し、市民から増床のリクエストがあると聞きます。江坂図書館が隣接しているのが江坂花と緑の情報センターです。江坂花と緑の情報センターは、近年来訪者が半減していることに加え、南千里駅前公共公益施設内に千里花とみどりの情報センターが設置されました。この際、江坂花と緑の情報センターの業務を終了し、その部分に江坂図書館を拡大することを検討されてはいかがでしょうか?市のご所見を伺います。

 次いで、西尾邸、浜屋敷の今後について伺います。財政危機だといいながら費用の発生するお話しが続きますが、私がこれから申し上げることを一言で言うと、使えば宝、うまく使わなければお荷物ということです。
 西尾邸は平成15年に国が西尾家から西尾邸の物納を受けてから、吹田市が近畿財務局と有償貸付契約を締結、吹田市は平成16年に旧西尾家住宅・吹田文化創造交流館条例を制定し、吹田市が国に賃料を支払いながら吹田文化創造交流館を運営することとなりました。その後西尾邸は平成21年に吹田市で唯一の重要文化財に指定され、吹田市と国との契約は有償貸付契約から、管理委託契約に変更されました。現在では所管も財務省から文部科学省へと変わる手続き中とのことです。先日8年ぶりに同僚議員と西尾邸を見学させていただきました。ボランティアグル―プ「渡路洲倶楽部」や「積翠会」の方が、詳しく丁寧に説明をして下さいました。その時感じた事は二つあります。一つには、吹田市も努力されていることとは思いますが、西尾邸全体が少しずつほこりをかぶり、かつての光を失っていたことです。二つ目は、いまだに周辺に駐車場もなく、あるいはこの地域における吹田市の文化拠点施設である浜屋敷からの案内表示もなく、いろいろな方に見に来ていただく体制がとれていない、ということでした。一方浜屋敷の方は建物が新しいこともあり、すみずみまで掃き清められ、美しく感じました。和室なども地域の方によく利用されている様子でした。しかしながら、HPを拝見させていただきますと、指定管理者として浜屋敷を運営されているNPO吹田歴史文化まちづくり協会においても、ボランティア参加者の減少・高齢化、事業の固定化・マンネリ化が起こっているとのことです。
 西尾邸につきましては、文化庁建造物整備活用部門担当調査官より、西尾邸の保存管理活用計画をここ1~2年のうちに策定するよう指導されています。吹田市は厳しい財政の中ですが、西尾邸が、より多くの人に知られ、吹田市民の心の故郷になるように、しっかりとした公開と活用を行える状態を整えなくてはなりません。私は少なくとも、駐車場に加え、西尾邸の保存活用のための地域ボランティアが集まれる場所、管理棟を西尾邸の中に適切なデザインでつくることが必要になってくると思います。西尾邸の場合、修理・活用費用の65%は国が負担することになりますので、市の費用負担はある程度に抑えることが出来ます。しかしながら、浜屋敷の文化活動を現状のレベルで保ったまま、西尾邸でも同様の文化活動を行うのは難しくなってくると思います。私は残念なことですが、浜屋敷については、地域の皆様への貸し館業務だけを行い、文化活動を西尾邸に移していくべきだと考えます。そして、西尾家に伝わる茶の文化の伝統、あるいは貴志康一にまつわる音楽活動などを吹田市として後援し、育んでゆくべきだと考えますが、いかがでしょうか。市の所見を伺います。

 ここまで、財政危機といいながら、費用のかかるお願いを続けてきたので、ここからは二つ、市民サービスを削減する質問をさせていただきます。一つ目は市民プールに関してです。吹田市には4つの市民プールがあり、それぞれの地域で愛されてきました。しかしながら、各施設で老朽化が目立ってきました。床や塀の黒ずみ、ヒビ、苔が生えているところもあります。ペンキなどもはげ、プールの底からの水漏れを防ぐための改修が必要なプールがあるとも聞きます。今後の補修費を考えると、市内で4つの市民プールの維持は難しいのではないでしょうか。むしろ3つに集約し、そのなかで設備の更新をし、市民サービスを改善してゆく方がいいのではないでしょうか。
 休止するプールとしては中の島市民プールが考えられます。中の島市民プールから片山市民プールまでは自転車でなら15分程で行くことができ、一年に数度程度の利用なら、市民にこの程度の不便は受忍していただけるのではないかと考えます。周辺の市民・自治会に市の実情をよくご説明されたらいかがでしょうか?豊中市でも3つある市民プールのうち本年度から庄内温水プールを休止しています。年間どの程度のコストカットになるのかも含め、市のご見解をお伺いいたします。

 ついで、見直しを求めたいのが下水道部の雨水レベルアップ事業です。吹田市の南部区域は、雨水を直接に川に排水することができず、ポンプで排水しなくてはならない雨に弱い地形です。吹田市は南吹田処理区と川面処理区は1時間当たり約30ミリの3年に一度程度生じる降雨でも一部の道路が冠水する状況であるとして、平成10年度より「雨水レベルアップ整備事業」を行っています。具体的には、現在埋設されている既設下水道管より深い位置に、能力不足を補う内径0.8~4.5メートルの増強管を約12キロメートル整備するとともに、雨を神崎川に放流するために毎秒40トンの雨水排水ポンプの増設を行うものです。先行して江坂地域で増強管が敷設され、34億4千万円の費用が投じられています。平成21年10月から供用が開始されています。
 ところが、お伺いしたところ、この増強管に雨水が入ったのがこの2年間でたったの3回、それも大量の水が入ったのが1回しかないというのです。既存管の水位が半分を越えた時に増強管に水が入ることになっていますから、そのレベルを超える雨がこの2年間一度しか降っていないということになります。この2年間の吹田市における1時間あたり最大雨量を調べていたところ、確かにそれ以前と比べて大雨は少なかったのですが、これほどの大工事を行う必要があったのか疑問です。江坂地区は浸水多発地域だと言いますが、江坂に大雨がふって、大きな損害が発生したというお話はこれまで聞いていません。また、もし、地下の駐車場に雨が入る程度の被害がそれまで若干発生していたとしても、その程度の被害は各ビルの管理者が何らかの対応をして防がなくてはならないものだったと思います。江坂における34億円の投資が本当に必要なものであったのか、繰り返しますが、私には、はなはだ疑問です。この点については答弁を求めません。
 さて、雨水レベルアップ事業にはあと約430億円の投資が予定されています。私は雨水レベルアップ事業の効果については、もう一度精査する必要があると思います。あるいは雨水レベルアップ事業と同じ効果を、より安価な手法で達成できないか、さまざまな方法を模索する必要があります。吹田市の現在の財政状況の下、今後大規模な建設事業は不可能なのですから、下水道部は雨水レベルアップ事業の続行ができないことを前提に、べつの手法を考案しなくてはならないと思いますが、いかがでしょうか。市の見解を伺います。

 次いで指定管理者制度について簡単に私見を述べさせていただきます。私は今回提案されているさまざまな指定管理に関する議案に関して異論があるわけではありません。しかしながら、今後予定されている体育館などの大型の市の施設への、指定管理者制度の導入には反対です。それは体育館クラスになると、その施設の管理自体が重要な市のサービスであり、そのサービスのノウハウを市が持たなくなることは、吹田市にとって大きな損失だからです。これから10年くらいは、体育指導員の方々をはじめ現場を知った職員さんが体育館にも本庁にもいらっしゃるので、指定管理者に対してさまざまな指示を行うことが可能でしょう。しかし、体育館に勤務したことのない職員が、紙の上の情報だけをもとに、指定管理者を通じた情報で体育館を運営している姿を想像すると、それが現在より市民のニーズをより把握した体育館運営になっているとはとても思えません。指定管理者制度は、庁内での人材の育成と、それを通じたサービスの向上という視点が欠けている気がします。すべて民間のサービスのほうが良いと、気持ちで負けてしまわないでください。民間で、利潤を追求しながら行う定型的なサービスと異なる、吹田市の職員にしかできない、素晴らしい現場のサービスを作ってください。この観点から、今後の指定管理者制度の導入に関しては慎重に行ってくださるように要望いたします。市の見解を伺います。

 学校の地球温暖化対策について伺います。私はこれまでも、吹田市内小中学校の全教室へのエアコンの導入については、コストパフォーマンス、長期的な地球環境への悪影響という観点から反対してまいりました。まず、学校のエコ改修、そしてエコ改修のなかでも比較的簡単にできるガラスへの熱線遮断フイルムや屋上などへの熱交換塗料などの利用を提案してまいりました。ところが、本議会に提案されております公共施設省エネ・グリーン化推進事業で、先に吹田市本庁舎の低層棟の方で、LED電球に加えてこれらの資材の使用が予定されています。まず、こちらの提案について、どのような検討のなかでこの低層棟の省エネ改修が決定されたのか、これらの資材の温度調整機能についてしっかりと確認の上、導入を決定されたのか市側からご説明ください。そして学校教育部は、今回の省エネ・グリーン化推進事業における検討を参考に、学校校舎の省エネ・温度コントロール事業を行ってください。厳しい財政状況のなかです。すでにはじめられた全学校へのエアコン導入ですが、一呼吸おいて、他の方法で温度コントロールが出来なかった教室にのみ、小規模のエアコンを導入するべきだと思います。答弁を求めます。
次いで学校校舎への太陽光パネルの取り付けについてお伺いいたします。先日学校施設課に、一般的な小学校の屋上にどの程度の太陽光パネルの取り付けが可能か検討していただきました。平均的な校舎で一校当たり100KW、一般家庭用太陽光発電装置の約25軒分の発電が可能であるとの結果がでました。これをもとにあるメーカーのカタログ性能で大阪市の日照時間で年間の発電量を計算しますと、一校当たりの発電量は年間100,000kwhになります。仮にこれを全量販売するとしてこれに現在の買い取り価格である1キロワットアワーあたり42円を掛けますと年間の売り上げは420万円になります。これを吹田市の小中学校のうち50校で実施すると年間売上高は2億円になります。
本年8月、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法が成立し、再生可能エネルギーの全量固定価格買取制度が導入されることになりました。電力の買い取り価格については来年早々に決定されるということで、まだ確定しておりませんが、政府は事業者が必ず利益がでる水準の価格を定めると表明しています。来年7月から買い取りが始まるということ、そして太陽光パネルの設置が他の事業と異なり、決断すれば1、2ヵ月でできることを考えると、この制度導入を前にし、吹田市が太陽光パネルの設置の準備を始めないことは、入るべきお金を捨てているようなものだと思います。そしてもちろん太陽光パネルの設置は来年以降の夏の電力不足を軽減し、地球温暖化対策になるのですから、きちんとした準備をいまから始めておく必要があると考えますが、吹田市の立場と準備状況をご説明ください。

 ここまで、吹田市の厳しい財政状況を前提に、吹田市の施設を最大限に利用しつつ、コストを削減し収入を増やす方法を提案してまいりましたが、最後にお金の問題を忘れて、純粋に教育問題、吹田でどのような子供を育てるかを考えてみたいと思います。
 先日教育委員会から、学校教育の概況という冊子をいただきました。市内の各小中学校の教育方針などが非常によく分かりましたが、少し気になった点があります。それは、小中一貫教育について極端に重点がおかれていたことです。私は自分がPTAの役員をしていたこともありますので、中学校区内のPTAの交流や、小中学校の教員の交流については、必要性を認識しておりますが、小中学生の交流が本当に必要なのか疑問です。一貫教育を強調することは、小学校卒業生の15%程度が私立中学校に入学する現状をふまえると、地域の中学校に行かない子供たちにかわいそうなのではないかと思われるのですがいかがでしょうか。
 それよりもおこなっていただきたいのが、小学校、中学校における市民になるための教育です。高校以降の教育課程においては、職業人を育てるための専門教育が行われ、すべての人が身につけなくてはならない、生活者としての知識、市民としての知識の教育を受ける機会がないのです。市民として、市のどのような施設や制度を利用できるのか、地域にどのような活動があり、どのように参加していけばいいのか、小学校、中学校段階で身に着けさせないと、自治体の存在、そして折角ある様々な自治体の市民サービスに気が付かない大人を育ててしまいます。よく自治体の選挙で投票率が低いといわれますが、それは市民の皆さんが自治体の行っているさまざまなサービスの重要性を認識できていないからです。最近新聞を教材にした授業はよく行われていますが、市報すいたなどを教材とする授業を是非行っていただきたいと思います。答弁を求めます。
 そして、最後にお願いしたいのが、吹田市教育委員会において市民の意見を集約して、平成の現代にふさわしい、市民が自分を律するための市民憲章をつくる活動をしていただきたいということです。ご理解していただくために誤解を恐れずにいうと、平成の教育勅語のようなものです。
 私がなぜこのことを申し上げるのかというと、現代の日本にあまりにも自分探しをする子供たちが多いことに気がついたからです。早いうちから将来の職業を選べる子供達もいますが、職業を選べず、ニートや引きこもりになってしまう子供たちがあまりにも多くいます。かれらはインターネットなどからの知識は多いのですが、自分が何者で、何をしなくてはならないかを認識できていないのです。いわば、OS・基本ソフトのないメモリーばかりのコンピューターのようなものです。
 日本はかつて、軍国主義教育に教育勅語が利用された反省から、国民が何をしなくてはならないかを教育することを避けてきました。しかし、何もしなくてもよい、社会に対して何の道義的責任も負っていない個人などいるはずがありません。個人は、いわゆる市民としての自覚と権利の認識とともに、社会人としての責任をしっかりと認識していなくてはならないのです。
 その社会人としての責任を、常に目で見、何百回も唱えて、心の中に刷り込む必要があります。それは非常に危険だとおっしゃる方もおられるでしょう。しかしながら、中身が何百人、何千人という市民、知識人が練り上げたものであるなら、そして子供自身の心の資産になるようなものであるなら、漢字を何十回も書いて覚えるように、社会の基本ルール、道徳を、小・中学生時代に何十回、何百回もとなえて頭に入れて大人になっていくことが良いのではないでしょうか。たとえば、お父さん、お母さんを大切にしよう、などという単純なものでもよい、いや単純なものの方が良いのです。
 また、何を子供に教えるかを議論すること自身が、大人を教育することにつながるでしょう。吹田市民のOS・市民憲章を考える取り組みを是非吹田市の教育委員会で行って欲しいと考えます。ご見解を伺います。これで一回目の質問を終わります。

吹田市議会における質問目次に戻る>