南千里地区センターについて

 南千里の地区センタービル・市民センタービルには吹田市の千里出張所や郵便局、地区公民館や千里図書館、プラネタリウムなどがあり、多くの市民に愛されている建物だと思います。吹田市は、(財)大阪府千里センター(のちに大阪府タウン管理財団に統合)との間で南千里地区センターの再開発を協議しました。そして、非常に簡単に言うと吹田市の持つ市民センタービルの底地と千里センターの持っていた用地を交換し、千里センターのもっていた用地に新しい公共目的ビルを作り、市民センタービル等は取り壊して民間に売却する協定書を結び、新しい吹田市の公共目的ビルが建設されました。

 その過程で、市民から、市民センタービル等は、文化的に高い価値を有するものであり、底地を民間に売却してマンションを建てるべきではないという意見が出ていましたが、市やセンター側はこの意見を取り入れることはしてきませんでした。

 しかし、現在、市民センタービル等の取り壊しの直近になって、やはりこのビルは取り壊すべきでないのではないかという声が大きくなっています。その理由は大きく5つあります。

  1. 地区センタービル・市民センタービルは、千里ニュータウン開発の記念として大阪府か吹田市に贈与された記念館であり、そもそも民間に売却して底地をお金にかえる性質のものでない。
  2. 地区センタービル跡地にマンションを建設すると、地区センター中心部の日当たり、通風が悪くなり、駅周辺全体のビルによる圧迫感が増す。
  3. 建物は、当時の日本の最高の建築家の一人である村野藤吾の設計で、デザイン性の良い建物であり、耐震性の不安もない。また、プラネタリウム館などは、将来的に小松左京記念館、岡本太郎記念館、村野藤吾記念館などにも利用でき、吹田の文化的中心となりえるものである。
  4. 公共的なスペースは南千里周辺で現在不足している上に、今後の再開発に伴い駅周辺の人口増も考えられる。建物取り壊しで減少させるべきでない。
  5. 市民センタービルの跡地に建つビルに商業施設が入ることが予定されているため、現在南千里センターで営業を行っている商業者からクレームが出ている。

 このうち、プラネタリウム部分に小松左京記念館が誘致できる可能性があるということは、非常に重要なことだと思います。昨年亡くなられた小松左京先生について、私がここで詳しくご説明申し上げる必要はないと思いますが、日本を代表するSF作家であるにとどまらず、吹田市で行われた日本万国博覧会のサブプロデューサーを務められ、岡本太郎氏とともに万博を成功に導かれた、吹田市との縁の深い方です。千里ニュータウン開発との同時代性もあり、千里ニュータウン記念館としての市民センタービルに小松左京記念館がもし誘致できるとすると、それは吹田市の文化性を大きく引き上げるものとなります。

 市民センタービルの取り壊しは、吹田市が意思決定を重ねて進めてきた事業ですが、吹田市議会は取り壊しについてこれまで意思決定を行っておらず、この3月議会における市から提出される取り壊し予算の採決が、意思決定の場となります。
私たちは、他の市議会議員にも強く呼びかけ、なんとかこの2つのビルが維持できるように運動しています。

 

 

 

 

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