TED アル・ゴア氏講演(要約)

パリ協定から10年、195の国が2050年での実質カーボン排出ゼロを目指しているところ、部屋の中の象の話をしなくてはならなくなった。トランプ政権は、パリ協定をはじめとする国際的な気候関連組織から脱退した。気候関連の大統領令を撤回し、エネルギー緊急事態を宣言した。化石燃料を推進するため、再生可能エネルギー、EV、気候科学、環境正義などの政府の支援を廃止した。

しかし、これを覚えておいてもらいたい、トランプ政権の最初の任期中、4年間でエネルギー伝送における投資は倍増、太陽光発電は倍増、EVの販売も倍増した。風力発電も50%増加した、60%の新電力は太陽と風から来た。アメリカの石炭火力発電は19%減少した。すなわち、最初の任期中でもさまざまな、いいニュースがあったのだ。

化石資源業界は、素晴らしいニュースについては無視したいのです。世界で行なった約束であるパリ協定の交渉を幻想であるとラベル付けたいのです。そして、化石燃料の削減をするための努力を捨て去らせたい。彼らは現在新たなアプローチを提唱している。彼らはそれを「気候リアリズム・気候現実主義」と呼んでいる。この立場からは、気候から起こる災害の原因に対処する努力を放棄することになる。そして適応に関する努力も放棄しなくてはならないという。気候リアリズムによれば、空を蓋のあいた下水として使い続け、化石燃料を燃やすことは安くつくのです。

気候現実主義者に対して質問したいことがあります。10億人、20億人の難民を無視することは現実的でしょうか?気候科学者は、2050年までに各国から気候危機が原因でこれだけの人数が強制的に国境を越えて移動させられるだろうと言っています。

この10年間はもっとも暑い10年でした。昨日ペルシア湾の一部で52.6℃、数日前パキスタンは50.5℃になりました。気温・湿度が上昇し、生理学的にいえば、人間が居住不可能な場所が、2070年までに、ここに示した領域に広がるのです。この危機を無視することは現実的でしょうか?

 

 

気候リアリズムの人たちは沢山嘘をついています------(中略)---- 特に強調しておかなくてはならないのが、CCS、二酸化炭素の地下貯留についてです。

地下貯留が成功したところはほとんどありません。これまで大々的に発表された二酸化炭素地下貯留のプロジェクトで、これまでに撤回されていないものはほとんどありません。このグラフでいうと、生き残っているプロジェクトは1つか、2つだけです。これでは、地下貯留事業は完全な詐欺ではないでしょうか。