吹田市の現状

 吹田市の現状を書くとなると筆が進みません。その理由は、井上市長の施政方針が一番最初のところで間違ったので、修正がきかないということです。

 市長は、吹田市の財政状況を当時の橋下知事にならって、危機的な状況であるとし、財政非常事態宣言を行いました。そして、事業見直しを行い、主に扶助費をバンバン切っていっています。また、本当に必要とされている福祉巡回バスなどの事業や各種補助金も見直されています。ところが、吹田市が大阪府と異なり、いわゆる財政危機ではなかったということが、市議会の総意になってくる一方で、市長後援会に入っている企業に、市が随意契約で、市価の2倍以上の価格で太陽光パネルを発注した事例が市議会で追及されるなど、市の倫理性に対する信頼がゆらぐ事態も現れています。

 一方、吹田市が現在抱えるもっとも大きな政治課題として吹田操車場跡地への企業誘致問題、すなわち、国立循環器病センターの誘致及び吹田市民病院の移転の問題があります。現在国立循環器病センターの誘致に関しては、国循の反応が芳しくない状態が続いているのにもかかわらず、市民病院については、吹田市が平成24年9月の特別委員会で吹田市民病院の吹操跡地への移転表明に近い発言をし、この12月議会にも移転に関連する初めての予算が提案される見込みです。
  
 現在の吹田市民病院は昭和57年に建設されていますから築約30年で、古い建物ではあります。しかしながら、市民病院は大きな累積赤字をかかえているうえ、このような古い建物なので減価償却費や金利負担が少ないからこそ、最近やっと補助金に支えられながら単年度黒字になってきたところです。採算を考えると古い建物に手を入れながら使っていくというのが私には正しい道に見えます。政治的な目的で、市民への便益性を考えることなく市民病院を立て替えることは、適切だととても思えません。

 このような大きな問題をかかえ、さらには市長が口をあけるごとに“財政難”という言葉を口にするものですから、市議会全体が、何か前向きの問題提起を行えるような雰囲気にありません。私も、会派構成問題でぎくしゃくしたこともあり、市長から下りてくるおかしな提案と闘うのが精いっぱいで、市民教育憲章を除き、オリジナルな政策を前向きに提案していける体制になかったことが本当に残念です。