(令和4年5月挨拶)

まず愛から始めよ!
情報戦争の中で、どこに自分の芯を置くか。

中国で素晴らしい冬季オリンピックが開催され、その余韻もさめやらぬ間に、ロシアがウクライナに侵攻しました。そこで発生した殺戮、さまざまな人間の尊厳を冒涜する行為、街の破壊は、世界中から大きな非難を浴び、ロシアに対する各国の制裁が行われています。

この事件については、軍事的、国際政治的、地政学的な説明がされていますが、それでも多くの日本人は、なぜロシア、プーチン氏がこのような行動に出たのかを理解できず、頭が混乱しています。それでなくてもコロナ禍がいまだ収まらない中で、日本人は、毎日の行動をどう律すべきか分からない状況が続いているのです。今自分の周りに何が起こっているのか分からないので、右往左往してしまいます。

ウクライナ侵攻に関しては、ロシア、ウクライナ双方からさまざまな情報発信が行われ、その内容が大きく食い違っています。また、コロナウイルスについては、その変異種ごとの危険性、ワクチンの効果、後遺症のレベルなど、いろいろな情報があり、どれを信じていいか、皆が分からないのです。このように、今回非常に分かりやすい形で出てきた情報戦争ですが、少し振り返って考えると、私たちが受け取ってきた様々な情報は、これまでも発信者による非常に大きなバイアスがかかっていたということです。

私たちが受け取っていたバイアスのかかった情報の一つに、大阪都構想住民投票に関するものがあります。多くの市民は、投票の少し前まで大阪都構想は大阪府を大阪都にするものだと思っていました。大阪都構想という表現を使えば、内容について理解していない方がそのように受け取るのはむしろ当然でしょう。しかしながら、住民投票で問われていたのは、大阪市を廃止し、4つの特別区を作ることの是非でした。

特別区は選挙で決めた区長と区議会を持ち、他の市町村と同じく税の徴収や条例の制定ができます。現在の24区は行政区で、行政事務の円滑な処理が目的です。特別区が出来ることには良い点もありますが、長い歴史を持ち、大阪の政治と文化の中心である大阪市を、それとはしらず消滅させようとしたことは、大阪都構想の波が収束し落ち着いた現在の目で見ると非常に危なかったと感じられます。このように我々の周りには危険で誤った情報が溢れているのです。

このような状況のもと、私たちは何のために、どのように情報を収集し、どのように判断していけば良いのでしょうか?別の表現で言えば、どのように生きていけばいいのでしょうか?

この問いに関して答えるのは簡単ではありませんが、私が辿り着いた結論は、このようなものでした。--- 自分の心をしっかりと掴んで、自分が本当に守りたいもの、愛しているものを確認すること、そして愛している人・物のためにしっかりと闘うこと、情報については、ただ漠然と受け入れるのではなく、この闘いのために必要な情報にアクセスし、真実を知り、愛するもののために役立つ判断を積み重ねること、でした。

今日皆さんにお伝えする地球温暖化とIR、大阪・関西万博に関しては、利害が対立し、社会のあるべき方向性が見えづらい分野です。だからこそ、私はこれらについて皆さんに伝えることが大切だと信じ、この文章を書いています。少しでも皆さんのお役にたてますように。

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