◆ 吹田市議会における質問
平成23年9月議会みんなの未来代表質問(部分) <万博記念公園>


 先の定例会において、みんなの未来は、万博公園のエキスポランド跡地および自然文化園等について、副首都機能の誘致を含むいくつかの提案を行いました。吹田市も大阪府に対して、来年度当初予算要望として、万博公園についての要望をされました。

 その一つ目は、平成22年12月7日に閣議決定がなされました、公園事業を大阪府へ移管し、その後、独立行政法人日本万国博覧会記念機構を廃止するとされた決定について、吹田市としては、今後とも低廉な入園料で多くの人が楽しめる現状の維持と、用地全体の一体的な保全、存続を要望するということです。

 そして二つ目は、万博公園南側ゾーン活性化事業においては、大規模集客施設誘致が想定されているが、吹田市の意見を十分に反映させながら取り組んでほしいということです。

 しかしながら、ここに述べた吹田市や、吹田市民の希望と大きく異なる交渉が、大阪府と万博機構の出資者である財務省との間で行われていることが先月24日の毎日新聞の報道で、分かりました。財務省は、万博機構の廃止後に公園事業を担う予定の大阪府に対して、出資相当分の土地の賃料を払うよう提案しており、大阪府の試算では賃料は年10億円を下らないとのことです。橋下知事をはじめ大阪府は財務省に無償貸付を求めていますが、協議は難航しそうです。

 財務省の賃料請求の根拠について簡単に説明しますと、万博機構の出資割合は国が53%、府が47%であり、万博機構の資産総額は約1500億円、万博公園の258ヘクタールの土地だけでその資産価値は約980億円になります。大阪府からの情報によると、今年2月、財務省は万博機構の土地の53%にあたる現在の自然文化園等を含む北部エリアを国の土地とし、大阪府は南側ゾーンや万博公園周辺の土地を受け継ぐことを提案したようです。この考え方に従うと、太陽の塔や芝生の広場がある北側エリアは、国が持つ土地の上で大阪府が公園を運営することになります。ところが、国が地方公共団体に公園の土地を貸し付ける際には「3分の1を無償、3分の2を有償」とする財務省理財局長通達があるため、財務省は国の出資相当分約137ヘクタールの3分の2を大阪府に対し有償で貸し付けることになる、というわけです。

 これに対し、大阪府都市魅力課は「府民にとっては運営主体が機構から府に変わるだけなのに、地代として府民負担が生じるのはおかしい」と反発していますが、財務省は「なぜ万博公園だけ無償かと言われた時に公平性の観点から説明できない」としています。

 大阪府は従前から、万博機構の廃止という大きな政治方針を実現するとともに、万博記念公園を「緑に包まれた文化公園」として後世に引き継いでいくために、財務省と公園の土地について折衝を重ねてきました。しかしながら、財務省とのあいだで話し合われた内容が財務省の言い分に従ってすべて実現したとすると、大阪府に公園の管理に関して他に安定した大きな収入源がない限り、いずれ公園の運営が不可能になることは明らかです。

 事態の詳細が明らかでない中で声を上げるのは難しいのですが、みんなの未来から一つの提案をさせていただきたいと思います。

我々の提案はシンプルで、公園の土地を将来国と府で分割する際、市街化するエキスポランド跡地を国の所有とし、それ以外の、都市計画公園になるエリアは大阪府の所有とすることです。エキスポランド跡地は、面積は小さいのですが、経済的価値が高く、この方法でも国と府の機構に対する出資割合に従って万博公園を分割することができると考えます。これにより大阪府が公園北部地域を将来にわたって緑に包まれた文化公園として安定して管理することが可能になり、国の意図はよく分かりませんが、国は市街化可能で、売却が可能な土地を手にすることになります。国が南側地域の土地を入手されることは、国が、副首都機能の一部をこの地域に作られる場合には非常に都合のよい状況になるということでもあります。

 我々のエキスポランド跡地への副首都機能の一部誘致案についてはひとまずおき、これまでの大阪府、吹田市のこの土地についての取り組みを振り返りますと、大阪府は「万博記念公園南側ゾーン活性化プラン」を策定するにあたり検討委員会を設置し、観光集客やマーケティングの観点から幅広く意見を求めてこられました。この検討委員会には吹田市から冨田副市長も委員として入っておられます。平成22年8月には同活性化プランの素案が作成され、基本方針が定められました。その方針には万博の理念を受け止め20年から30年後の社会を見据えての新たな価値を創造することが打ち出されています。

そして現在、大阪府は万博記念機構より南側ゾーンの土地を賃借して活性化事業を行なわれようとしています。大規模集客施設の提案をすでに2社から受け、今後は12月までに1社を選定し来年2月の府議会で契約の承認を得る予定で選定委員会をたちあげられているとのことです。選定委員会は、この2社の提案が、これまでの万博記念公園の未来についての議論を踏まえてつくられた基本方針に適合するものになるよう万博公園の未来を見据えた選定をしていただきたいと思います。一方、エキスポランド跡地について大阪府が民間企業と事業契約を結んでしまうと、今後の財務省との土地分割に関する協議が難しくなり、もしアミューズメントパークが将来なくなった時には、自然文化園等の維持のためには財務省との折衝で地代を殆どゼロにしてもらうしかなくなります。これは非常に困難な交渉だと想像されます。

 すなわち、大阪府がエキスポランド跡地利用についてアミューズメントパークとの契約を結ぶ瞬間に、吹田市は市内のもっとも重要な文化、環境施設である万博記念公園を将来的に失う可能性が高くなると思われるのですが、吹田市はこの問題についてどのようにお考えなのでしょうか。財務省からの自然文化園底地に対する賃借料の請求という意思の表明の後でも、大阪府の事業者との契約、大阪府と財務省の間での土地分割についての交渉の進展を、ただ見ているだけなのでしょうか。吹田市がこれまでにどのような調査を行われたのか、大阪府、万博機構そして財務省とどのような交渉をされたのか、また今後どのように対応されるおつもりなのか、井上市長お聞かせ下さい。大阪北部の未来、あるいは日本という国の未来に大きな影響を与える大切な決定です。12月の事業者の選定に地域の未来ビジョンがしっかり反映されるようにしていただきたいと思います。この大阪府と財務省の間の土地賃借料の問題、公園の土地の帰属の問題、さらには未来の万博記念公園の在り方について、コンセンサスを作りながら、次の一歩を進めないと、地域の未来に、大きな禍根を残すことになると思います。お考えをお示しください。

 

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