吹田市議会での活動

 まず皆様に報告しなくてはならないのが所属会派の変更です。私は、昨年4月の当選後、榎内智市議とつくった会派“みんなの未来”をこの4月末に解消し、神谷宗幣市議、後藤恭平市議、足立将一市議とともに“吹田新選会”に所属することとしました。もともと、榎内議員も含め、この五人で共同歩調をとってきたのですから大きく枠組みが変わったわけではありませんが、本年度の一般予算(さまざまな福祉施策のカットや、私がどうしても守りたかった千里市民センタービルの取り壊し予算が関連します)への賛否が、榎内君と私で分かれたためで、一応のけじめをつけたということです。

 吹田新選会の他の議員とは、もちろん全ての問題について意見が同じというわけではなく、9月議会でも原発再稼働についての意見書などで意見がまとまらず、私が採決時に退席するケースもありました。しかしながら、教育問題を中心とする他の多くの問題で意見が一致しますので、何か問題が起こらない限り、この状態を続けたいと思います。

 最近真剣に行ったのが、吹田市議会発の市民教育憲章を作ろうという試みです。
私がこれを考えることになったのは、日本人が自分の判断基準を持とうとせず、場の状況を読んで合わせてしまうのはなぜかを考えたことが発端です。判断基準がない事は、子どもから「どうして人を殺してはいけないの」と聞かれた時、その理由を殆どの大人がすぐに答えられないことに現れています。大事な価値観が日本の社会の中に確立されていないということです。それは“生命がもっとも大切な価値である”ということでしょう。

 そこで、私と神谷市議は子どもたちに大事な言葉を集めた標語、憲章のようなものをつくって、学校で毎日読ませることができないかと検討をしました。どのような価値観を子どもに持ってもらうのが良いのか、教育基本法を読み、多くの他市の憲章を読み、教育に関する本を読みあさり、新選会のメンバーや市民と会議を持ちました。そして、さまざまな価値観を知ることができました。

 一番悩んだのが、このような価値観を子供たちに教育するということを市議会議員が考えていいのか、という問題でした。明治時代には教育勅語として、天皇陛下から賜ったのが、孝行、などという“価値観”です。自分たちがしていい作業なのだろうか、という畏れを感じました。

 私たちは教育とは何かというところに立ち戻って考えました。私の恩師である元東北大学大学院教授山崎仲道先生が、教育の淵源は、親が子を生きさせるために“自立させる本能”にあると書いて下さっていたのが参考になりました。そこから、地域の親の代表である、市長や市議会議員が、地域で教育すべき価値観を考える主体としてふさわしいと考えるようになったのです。結果的に、親の代表として憲章をつくるということで、憲章が国民主権の考え方、教育基本法に最も適したものになったと思っています。

 子供たちに生きてほしい、幸せになってほしい、そのためには良い人間関係をつくり、世界にさまざまな素晴らしいものがあることを知ってほしいという思いを込めました。この12月に吹田新選会より吹田市民教育憲章案を市議会に提案します。是非皆様もご一読いただき、ご意見をお聞かせいただければと思います。
(吹田市民憲章案)