皆様お元気ですか。大変厳しい経済情勢の中、皆さんがそれぞれの立場で頑張っていらっしゃると思います。私も議会活動や市民運動で精一杯地域の活性化のために活動しています。

大変残念な事に、9月11日を境に世界はある意味で大きく変わりました。また、現在吹田市にもいくつか危機的な状況があります。私は9月議会で吹田市の将来に関わる問題の指摘をおこなっています。このレポートではアメリカで起きた同時多発テロについて、少し私見を述べたあと、私の最近の活動報告、最後に9月議会で私が指摘した吹田市の問題点を書かせていただきます。

戦争の論理が世界を覆う

世界貿易センターとペンタゴンへのテロ攻撃は、アメリカ国民に大きな衝撃を与えました。その衝撃は、国民の心のなかで屈辱感と怒りにかわり、ブッシュ大統領はこの感情のはけ口を求めるかのように、アフガニスタンへの攻撃を繰り返しています。家族を殺されたアメリカの人達の苦しみ、長年の外国軍の国土への侵攻と内戦、干魃に苦しんできたアフガニスタンの人達の苦しみを考える時、この紛争をどのように終結すべきかについて軽々しく発言することはできません。

しかし一つだけ言わなくてはならないことがあります。それは今回の悲劇に便乗した勢力により、情報操作と論理のすり換えが行われ、日本の進路が大きく変わってしまったことです。政府は出所のわからないショウ・ザ・フラッグの言葉を一人歩きさせ、前回の湾岸戦争の対応で日本人が評価されなかったと強調し、日本がアメリカに協力しなくてはならないような切迫感をつくりだして、行き先の見えない報復攻撃に日本を巻き込みました。


私には、日本政府の対応が国益からますます離れていっているように見えます。テロ対策だということで、いかに武力行使を行うかを考えている人達の思考、いわゆる戦争の論理で考えている人たちの論理が政府を覆っています。アメリカのいうがまま、日本がテロに対して武力で報復するような国になってゆくのが本当に国民の幸せにつながるのかを、別な視点、平和の論理で考えている人達の意見や思いは、小泉首相の決定に反映されていません。

小泉首相が、これまでの総理と違うところは、為政者というスタイルをとらず、自分が国民の意見を代弁する改革者であるというスタイルで登場した事でしょう。しかし国民にとって本当に大切なのは、政治家がテレビカメラの前でどんなことを話しているかではなく、本当に大事な決定の時にどのような判断を行うかというところにあります。

私は小泉首相が颯爽と登場し、テレビカメラの前で、「これからの政治で大事なのは、男女協働参画と環境問題だな」と話した時、衝撃を受け、本当に素晴らしい政治家が現れたのかな、と思いました。しかし、小泉首相のそれから実際行った判断を見てみると、京都議定書批准問題に対する対応、今回の同時多発テロへの対応など、あまりにもアメリカよりで、環境問題を無視し、軍事力を重視した判断をしています。また失業問題や福祉・医療水準の切り下げ問題に対する対応も不充分で、とても国民の側を向いた政治を行っているとは言えません。

小泉首相はX-JAPANやオペラの名を語る事で文化の鎧をまとい、国民の側という攻撃を受けにくいスタンスに立ち、強いリーダーシップを発揮する、ある意味で大変すぐれた政治家です。しかしその政治家が日本を、私たちをどの方向に連れて行こうとしているのか、軍隊の、戦争の論理で私達を導いていないか、厳しくチェックしていく必要があります。

(最近小泉首相は京都議定書をアメリカ抜きでも批准するという立場に転じました。この点については高く評価します。)

魅力ある都市が生活の喜びをつくる

私は、世界にすむすべての人々が、自分の住む国にだけではなく、住んでいる都市にプライドを持って生活するようになればよいと思っています。軍隊をもっている国や民族という主体にプライドを持ちすぎる事は、武力による衝突につながりますし、また大きすぎる集団にプライドを持つ事は、個々人の前向きな、建設的な活動に結びつきません。

地方の時代といわれる今、多くの自治体が文化、芸術の中心となり、国際交流の主体になっています。吹田市規模の自治体であれば、このような文化芸術活動、国際交流活動に参加をしてくださる方々、ボランティアが、もっともっと必要とされています。個人が主体的な活動を行う場所があるのです。皆様がこのような活動に参加してくださることを期待して、私がこの数カ月で参加し、また主催した活動の一部をご紹介します。(参議院選挙・議会活動・地域活動等を除く)

環境シンポジウム「成長の限界に学ぶ」主催

私は、6月に民主党大阪府連・環境プロジェクト座長として、環境ボランティアの地球環境改善に向けた思いを結集するためのシンポジウムを主催しました。オゾン層を守る会、諌早干潟救済本部、関西水系連絡会、連合大阪、ネットワーク地球村などの多くの団体、ボランティアの皆様に参加頂きました。

(このシンポジウムに向けて私が行った、“子供たちの環境意識調査”の報告書は、民主党から冊子として発行されることになりました。)

北海道東川町の「国際写真フェスティバル」参加 (7月)


旭川市のすぐ隣の東川町では、「みんなで写真を楽しもう」「写真に映って美しい町をつくろう」「写真家や、写真家を目指す人達をサポートしよう」という思いで写真によるまちづくりをしています。

まちが写真を使ったアートスペースになっている様子や、多くの市民のボランティアが写真を通じて楽しんでいる様子が私にはとても羨ましく感じられました。

 

 

 

 

吹田ジュニアコーラスフェスティバル参加

吹田市は、8月に海外6カ国から120名の少年少女を招いて合唱祭を開催し、市内でさまざまな交流事業が実施されました。私も2名のインドネシアの子供たちのホストとなり、子供たちが日本文化を理解し、楽しい気持ちで歌が歌えるように努めました。沢山のインドネシアの子供たちが我が家に遊びにきてくれて、言葉の壁を超えて楽しい思い出づくりができました。

吹田のシンボルを描こう美術展共同開催

私も主要メンバーの一人である太陽の塔美術館を求める市民の会は、吹田青年会議所と共催で、吹田市の子供たちに、まちのたからもの、シンボルを発見し絵に描いてもらい、吹田の良さを発見してもらおうという試みを行いました。岡本敏子さんをはじめ、多くの素晴しい審査員の方々のご参加を得、500作を超える応募の中から優秀作品が選ばれ表彰されました。大阪モノレール万博記念公園内に展示された作品の楽しさ、自由な色彩に、訪れた多くの人達が驚きの声をあげていました。(8月)

“太陽の塔のあるまちのタウンミーティング”開催

吹田市で万国博覧会が開催されたこと、そして太陽の塔に岡本太郎が込めたメッセージ、(私は、太陽の塔からいつも、“原初の人間がそうだったように、もっと自由に、生命を爆発させて生きよう!”と呼びかけられているように感じます)を吹田市のまちづくりにどのように生かしていけるのかを、岡本敏子氏、橋爪紳也氏、井澤寿治氏、勇崎哲史氏、小本章氏など、多くのメンバーの参加を得て討論しました。

岡本敏子さんから、岡本太郎氏の三権分立論(本当の三権分立は、政治、経済、芸術だ!)、(私は政治、経済でばらばらになってしまった、人間の心を一つにするもの、それは芸術だ、と解釈したのですが)が飛び出すなど、本当に充実したミーティングになりました。ホームページで議事録を公開していますので、どうぞ御一読下さい。(8月)

横浜トリエンナーレ視察

トリエンナーレとは、3年ごとに継続して開催される大規模な国際現代美術展を意味します。外務省、文化庁が後援し、国際交通基金や横浜市が主催した、このイベントでは、ビルの壁から、30メートルもあるような巨大なバッタを飛び出させたり、ビルの間の空間に、巨大なフルーツツリーを出現させたりと、街全体をアートスペースにするための試みが行なわれており、都市に住む人達が一緒になって芸術を楽しんでいる雰囲気が、とても楽しく感じられました。吹田市の公園や、江坂のビル群を利用して、規模は小さくても同じコンセプトで何か出来ないか、私の冒険心が刺激されました。(10月)

皆さんは、宮崎駿の「千と千尋の神隠し」を御覧になったでしょうか。そのテーマソングの歌詞の最後にこのような1節があります。「海のかなたにはもう探さない。輝くものはいつもここに、私の中に見つけられたから。」 私は、吹田市が住む人達にとって本当に心の休まる場所になったときこう歌いたいと思います。「テレビのなかには、もう探さない。輝くものはいつもここに、私達の街に見つけられたから。」


吹田市の産業で中心になっているのは第3次産業、特に小売業です。この地域の産業活性化のため、そして、住宅地としての魅力を高めていくためにも、私は吹田市における文化・芸術の息吹きを力いっぱい育てて行きたいと思います。

吹田市9月議会報告

吹田市の9月議会で私は10分しか持ち時間を与えられなかったので、数点に絞って、質問を行いました。

ゴミ減量と、ゴミ焼却場の建替え問題について

ゴミゼロ都市を目指して出発した阪口市政ですが、現実にはこの2年半で減量できた、ゴミの排出量は0.1%にみたず、おもに事業所から排出するゴミにより、ごみ処理量は増えつづけています。そこで私は、事業系ゴミについては、ゴミ処理手数料を値上げし、さらに、事業系ゴミの分別収集を徹底させる事により、リサイクル率の向上と、工場の延命を図るように市に提言し、吹田市もゴミ収集業者の管理を厳しく行うと約束しました。

吹田市の緑の保全について

千里ニュータウン地域をはじめ、緑の豊かな都市だった吹田市ですが、今ふたたびマンション建設があちこちで行なわれ、環境と景観が破壊されています。ところが、大阪府の財政健全化計画のなかで、大阪府の企業局の所有する土地について民間のマンション建設業者に払い下げる計画が進められており、吹田市が何らかの対策を打たなければ、緑の環境が失われる危険があります。私は、吹田市が緑の保全に断固たる態度をとるように申し入れました。

その他、江の木町での新たなパチンコ店建設について、駐輪場の整備を要請し、国際ジュニアコーラスコンクールに関連して、吹田市の文化団体への補助要請を行いました。

吹田市には取り組むべき課題が山積しています。皆様の御支援が私の活動の力になります。今後とも一層の御指導、御支援を宜しくお願い致します。

山口総研第6回まちづくりシンポジウム

テーマ: 芸術の力は地球環境悪化を救えるか

主催:山口総合政策研究所

とき :2001年12月20日(木) 講演テーマ

午後7時~9時 「地球環境の現状」 高木善之氏

ところ:吹田市文化会館 「環境問題に取り組む人々」

メイシアター 中ホール 幸田シャーミン氏

参加料:無料 「地球環境と太陽の塔」 山口克也

司会: 井澤寿治氏

 

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